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環境問題の陰に"バード・ストライク" 「風力発電所」…それは、環境に非常に優しいエネルギー源として、最近、 急増している。しかし、それと同時に"バード・ストライク"も増えている…。 【"バード・ストライク"とは?】 "バード・ストライク"とは・・・ ─────────────────────────────────── 鳥が、構造物に衝突する事故のこと。一番ポピュラーなのが、航空機と鳥が 衝突する事例。その他に、前記の風力発電所、鉄道、自動車、送電線、送電 鉄塔、ビル、灯台などにおいても、起きている。 ─────────────────────────────────── ついこの前も、千歳空港にて、北海道国際航空(エァ・ドゥ)の欠航原因とな ったのが、この"バード・ストライク"であった。 今年の4月13日には、北海道の留萌管内苫前町にある風力発電所「苫前グ リーンヒルウィンドパーク」内で、風車への衝突死"バード・ストライク"と見 られる『オジロワシ』が見つかった。 『オジロワシ』の事故死は、過去2年間で、国内5例目。 ▽『オジロワシ』 http://www.gt-works.com/yachoo/zukan/tori/taka/ojirowasi.htm この風力発電所は、町とユーラスエナジージャパン社(東京)がそれぞれ運営 している。実は、ここでは、2004年にも『オジロワシ』の死骸2羽が確認 されている。 環境省の診断では「風車の羽にぶつかった内臓破裂による失血死」としたが、 同社では「専門家に調査を依頼したが、原因は特定出来ていない」と言う。 北海道では、苫前のこの施設以外で、石狩市と根室市にある風力発電所でも、 『オジロワシ』各1羽の死骸が、発見されている。 "バード・ストライク"の原因には次のようなものがある。 ─────────────────────────────────── 1.霧や吹雪などによる"視界不良" 2.風車が起こす"乱気流" 3."エサ"に気を取られた ─────────────────────────────────── *この他に、北海道特有の原因として、サハリンからの渡り鳥の中継地とな っている上、風力発電所も多く、長旅で疲れ、風車を避けきれなかった、 とも考えられる。 ─────────────────────────────────── 事業者側も、決して、手をこまねいて傍観しているわけではない。 「羽を塗装する」などして、何とか、鳥に認知してもらおうとしている。 上記、ユーラス社においても・・・ 今年3〜5月、稚内市宗谷岬にある風力発電所で、一部を「夜間照明」にす るという実験を行った。しかし、逆に、「鳥が光に集まる可能性」もあり、現 在も、実験を継続して、効果を測っている。 北海道内には、3月末現在で・・・ ─────────────────────────────────── 風力用の風力発電所 263基(小規模施設を除く) ─────────────────────────────────── *5年前は、99基だったので、約2.6倍も増えている。 ─────────────────────────────────── ただ、設置などの制限は・・・ 国立公園などに定められているだけ。鳥も含めた周辺の環境評価を行うかど うかは、風力発電などを行う「事業者」の判断次第とされている。 環境省も昨年12月に策定した「オオワシとオジロワシの保護増殖事業計画」 の中で、風車など工作物への衝突防止策を盛り込んだ程度、専門分科会も出来 たばかりと、完全に、後手に回っている。 分科会の委員であり、このメルマガの読者でもある 猛禽類医学研究所(釧路市)の齋藤慶輔獣医師は、次のように強く主張。 ─────────────────────────────────── "バード・ストライク"の根絶はあり得ず、野鳥の生活圏に立つ風車は、運転 を止めるなど、ルールを作って、緩和させるしかない。環境省も率先して、 国内法に、基準を明記すべき時期に来ている。 ─────────────────────────────────── 風車の危険性は、次の数字にも表れている。 ─────────────────────────────────── 1000キロワット(一般的) = 羽根の中心までの高さ 羽根が円を描いた時の直径 ↓ ともに、約60メートル 羽根の先端での回転速度 = 時速300キロ ─────────────────────────────────── まさに、これでは「凶器」である。これにやられたら、ひとたまりもない。 そして、他にも考慮すべきは・・・ 『オジロワシ』やその他の希少種では、この"バード・ストライク"が話題に なっているが、その他の野鳥ではどうなのだろう?その他の種の方が、圧倒的 に、被害が多いことは、明らかだということ。 そういう大きな視野からも・・・ 「国は、"バード・ストライク"に対する法整備を、急がなければならない」 **でんじろうの地球版?・・・→ http://tinyurl.com/p6asc
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