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生態系を荒らしちゃダメだよ!? ブラックバスなどもそうだが外来魚は容易に生態系を崩し、在来種を駆逐してしま う。放流されている鮭の稚魚を捕食しているこの魚「ブラウントラウト」も外来魚の 一種だ。 これらの外来魚は一般的に獰猛で引きが強く、ルアーやフライなどスポーツ・フィ ッシングをする釣り人からは非常に好まれている。これらの人々が全てそうだとは言 えないが「キャッチ&リリース」で放流してはいけない所にも"リリース"するケース が増えている。 あるところで捕獲したブラウントラウト21匹の腹の中には1匹あたり平均して、 何と2〜319匹の鮭の稚魚が入っていた。鮭の稚魚を放流している調査区間のブ ラウントラウトの生息数などから推計すると14.5%(約18万5千匹!!)も 「舶来物のギャング」に貴重な食料資源を盗まれているのだ。 北海道では昨年から法改正し、ブラウントラウトを川や湖に放流するのを禁止して いる。しかし、こういう外来種は生命力が強く、いったんそこに生息し出すとなかな か駆除することは困難である。 鮭の稚魚が食われている事ももちろん大問題だが生態系、在来種がやられている事 の方が自然という大きな目で見るともっと重要である。しかし、この問題「ブラウン トラウト」という魚が悪いわけではない。 原因を作ったのは「放流した人間」である。この人はきっと軽い気持ちでリリース したのだろう。そのちょっとした気持ちが20年以上も経った現在、大問題を引き起 こしているのである。 ルアーやフライなどスポーツ・フィッシングはどこか隔離された人工的な池かなん かで楽しんでくれ。古い考えかもしれないが日本での「釣り」とは本来、釣ったもの を食べるというのが礼儀だ。 魚をあまり食べる習慣のないところで流行って来たのが"スポーツ・フィッシング "。あくまでも「遊び」だ。それならば、ルールがあるだろう。生態系を壊しても 良いというルールがあるのかい? これ以上、生態系を崩し、在来種を駆逐し、鮭の稚魚を捕食するならば、外来種は 【よそ者】として駆除しなければならない。 ブラウントラウト、ブラックバスなど"スポーツ・フィッシング"に最適な魚達。全 部を連れて行くのは無理だろうから、必要な数だけもって、君達の『人工池』に移っ てくれ。僕もそこで"スポーツ・フィッシング"を楽しむ分には文句を言わないように しよう。 それにしても可哀想なのは弄ばれる外来種と呼ばれる生物たちだなぁ。 《MEMO.0016》ブラウントラウト 原産地・欧州。サケ科タイセイヨウサケ属。体長約40cmくらい。体色は緑っぽい茶 色。体側には大きな黒斑と白く縁取られた赤色斑がちらばり派手な斑紋だが、変異が大 きい。尾柄部が高い(ちょっと尻尾が上がっているという意味)。降海型は銀白色にな る。獰猛で魚食性(他の魚を食べる)が強く、ルアーやフライの対象魚として喜ばれる。 日本では北海道に多い(北海道で1980年に生息を確認)。
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