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死亡例が確認されたのはこれが初めて 「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」というのがMRSAの正体である。良く 知られているのが、"院内感染"によるものだ。今回は少し様子が違うようだ…。 【"拡大"の懸念はないのか?】 今回、「MRSA・市中強毒型」が、見つかった経緯は・・・ ─────────────────────────────────── 昨年、北里大学病院(神奈川県相模原市)に運ばれた1歳男児 ─────────────────────────────────── ↓最初は・・・ ─────────────────────────────────── 発熱や咳などの症状で、別の総合病院を受診。「肺炎」と診断される。 ─────────────────────────────────── ↓その後・・・ ─────────────────────────────────── 北里大病院に入院し、抗生物質の投与などの治療を受けたが、容体が悪化。 ─────────────────────────────────── ↓ ─────────────────────────────────── 入院から、約10日後に死亡。血液などから、「MRSA」が検出される。 ─────────────────────────────────── ↓ ─────────────────────────────────── 男児には、それまで入院の経験はなく、菌の遺伝子構造も、病院外で、 感染を拡げる「市中型」と一致。さらに、白血球を壊す毒素を作る 「強毒菌」であることも、判明。 ─────────────────────────────────── ↓ ─────────────────────────────────── だが、具体的な感染経路は、不明であった。 ─────────────────────────────────── そもそも「MRSA」とは?・・・ 和訳「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」。メチシリンやセフェム系などの 抗生物質に、耐性を持つようになった黄色ブドウ球菌。最初に確認されたのは、 1961(昭和36)年のことである。 従来、手術後など、抵抗力の弱い患者が、感染すると、死亡することもあり、 "院内感染"の代表菌とされてきた。「MRSA」にはこの他、「市中・強毒型」 「市中・弱毒型」の全部で3種類あり、遺伝子のタイプが、それぞれ異なる。 この内・・・ 世界的に、大きな問題になっているのは、「市中・強毒型」である。これが、 問題化したのは、1990年代以降。米国で、入院経験のない健康な子供4人 の死亡例が、報告されたのが、きっかけである。 日本で見つかるのは、ほとんど「市中・弱毒型」であり、通常は、重症化す ることなく、肺炎などを起こしても、抗生物質で、充分対応出来る。今回のよ うな「市中・強毒型」は、まれで、死亡例が確認されたのは初めての事である。 「市中型」の中でも、白血球を壊す毒素を作る「強毒菌」に感染し、肺炎な どを引き起こすと、今回の事例でも分かるように、治療が非常に困難となるケ ースが、多くなってしまう。 *もっと知りたい! → http://www.unlimit517.co.jp/ana119.htm しかし、現在の医療現場では・・・ 「市中型MRSA」に、充分な注意が払われておらず、「強毒菌」の存在も、 あまり知られていない。このため、皮膚疾患を診察した医師が、「MRSA」 の検査をすることは、ほとんどなく、充分な監視が出来ていないのが、実情。 対策としては・・・ ─────────────────────────────────── ●先ず、医療現場において、「市中型MRSA」の存在を認識する。 ●"院内感染"も含め「薬剤耐性」の状況など、実態把握を進める。 ●いたちごっこである「抗生物質」の存在意義を、もう一度、考える。 ●具体的な「感染経路」の解明に、努める。 ●欧米での「対策方法」を検討し、現状に照らして、導入も考える。 ─────────────────────────────────── 何れにしても・・・ 今後も、「抗生物質」至上主義を続けると、「MRSA」よりはるかに強力 な菌の出現は、容易に、推測出来る。「抗生物質」が、これまで、人類にもた らした功績が、非常に大きいのは、分かる。 ただ・・・ 「このままで良いのか?」というのが、いつも、頭をもたげてくる。おそら く、人類の英知で「MRSA」は対策出来ても、現在の考え方を変えない限り、 敵は、無限に立ちはだかってくるだろう。でも、先ずは"目の前"からか…。 **いたちごっこが続くのか・・・ http://www.unlimit517.co.jp/ib248.html
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