毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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これを作るメーカーの責任は重いぞぉ〜採血器具


 私の職場に、今年は「クリーム色で黒い斑点を持つ蛾」が大量に出没中です。

 夜間、光を求めて、一斉に飛び出し、朝になると、大量の死骸がそこここに。

 旗を掲揚する時も・・・

 その蛾が、ポールに、沢山張り付いている。それらをロープで払い除ける。

 パタパタと落ちてくる蛾達に、気味悪さと同時に、哀れさも感じる早朝。

 どうして、今年は「この蛾」が・・・

 その答えは、新聞の中にあった。「マイマイガ、道内で、大発生中!!」

 記事によると、マイマイガは、5〜10年周期で、大発生するらしい。

 ドクガの仲間だが、「毒」は、ほとんどないとの事。あ〜、一安心。

 けれど・・・

 何故、大発生するのかは、未だ解明されていないようだ。科学の進歩も、

 自然の懐の深さには、お手上げというところか。蛾の冥福を心から祈る。

 次は、科学の進歩も、「ひとしだい」という事実・・・

 以前、ここで取り上げた「採血器具使い回し」の集計が、出たようです。

 問題となったのは・・・
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 主に、「糖尿病検査」で「血糖値」を測定する器具
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 先端のキャップを、指先に当て、中の針を押し出して、皮膚に刺し、
 にじみ出た微量血液を、専用シートで、採取するというもの。

 詳細は→ http://www.kansensho.or.jp/news/pdf/biryou.pdf
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 この器具に対して・・・
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 厚労省は、2006年3月に、以下の通知を、都道府県に、している。
    http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0303-3.html
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 それにも関わらず、今回の調査結果・・・
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 1.針は交換したが、キャップなど針の周辺部分を使い回し
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  ●病院 3291施設(65%)

  ●診療所 8456施設(48%)

  ●介護老人保健施設 844施設

  ●その他(リハビリセンターなど) 532施設

  ●看護師などの養成所 282施設
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 2.針も交換せず、キャップなど針の周辺部分も使い回し
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  ×診療所 2施設

  ×看護師などの養成所 1施設
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  計 13405施設 47都道府県すべて あ〜あ、なんってこった。
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  *これら非常識(施設ではこれが常識?)な施設を知りたい方は
    http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/08/h0807-2.html
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 文科省の調査でも「医療実習」において・・・
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  ●医学部を持つ大学や看護師らを養成する高校など、394校を対象

   計137校で、実習の際に、「採血器具の使い回し(内1校では針も)」
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   (内訳)
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    ・大学 122校

    ・専修学校 4校

    ・高校 11校
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     計  137校 (全体の約34.8%)
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     *使い回しの器具を使用した学生は、最大で、5万2千人との事。

     *これから、医療を志す教育の現場でも、こんな状態。常識なの?
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 管轄する役所の言い訳・・・
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  ●針周辺のキャップ部分などの使い回しで、肝炎が感染するリスクは、
   少ないが、ゼロとは言えない。
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   *事実、2005年に、イギリスで、同種の器具のキャップを、
    交換せずに、使い回したことで、2人が、B型肝炎に、感染し、
    死亡した疑いがあると、報告されている。

    それを受けて・・・

    厚労省では「複数患者使用不可」の通知を、出したはずなのだが…。
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  ●「キャップを消毒すれば、また使えます」という採血器具販売業者の
   口車に乗ってしまい、健康イベントなどで、大勢に使い回してしまった。
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   *担当者の責任逃れかも知れないが、業者が、自社製品を継続して、
    使ってもらいたいばかりに、この様に言うことは、充分に考えられる。
    「業者の責任」については、以下に述べさせてもらう。
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  ●現場の医療関係者が、説明も読まず、認識不足だったのが、一番の問題。
   厚労省通知は、県庁や保健所の薬事担当には、伝わったが、イベントを、
   取り仕切る部署には、伝わらなかった。業者の認識の甘さや、担当間の
   連携の悪さも、問題だった。
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   *日々、忙しい医療関係者に、「そういう使い方の出来る器具」を、
    使わせていた方にも、大いに問題アリだ。その次の言い訳は、
    「役所の縦割り行政」の弊害を、言いたいのかな?まさに責任逃れ。

   *多くの医療関係者は、「針は交換した。キャップは消毒で大丈夫」
    という認識だそうだ。こういう医療関係者に、正しく器具を使わせる
    ことが、採血器具メーカーMRの"最大の任務(責任)"であるのに。
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 今のところ・・・

 B型やC型肝炎などに、感染した報告も、健康被害なども、ありません。

 と言うが・・・

 原因不明で、B型やC型肝炎等に、感染した事例は、全くなかったのかい?

 何か、分からなくて、具合が悪くなり、死亡した例も、あったんじゃない?

 そんな事はないだろう。過去のことだからと、それらにフタをするつもり?

 何れにしても、"自己申告"だから、本当に、正確な数字じゃないよね。

 それにしても・・・

 あまり前には、出て来ていないようだが、「業者の責任」は、重いよ。

 先ず、俺は言いたい「交換可能な器具を作るな。直ぐに止めるのが普通」

 こうすれば・・・

 医療関係者の認識が薄くても、1人1人、器具を取り替えるしかなくなる。

 この際、メーカーの事情なんか、関係ないだろう。国民の安全が一番だ!

 もし、それが直ぐに無理だったとしてもだ・・・

 厚労省の通知を持って、医療関係者にあたり、理解を求めた上で、

 器具の正しい使い方を、指導していくのが、本当の商売でもあり、義務だ。

 「使い回しても大丈夫」等と言うのは、言語道断で、まさに、非国民。

 医療に携わっているというのは・・・

 手前のところの業績だけじゃなく、国民の健康や安全も、同時に担うという

 実に崇高な仕事。先ず、その事を踏まえて、メーカーには猛省して欲しい。

 今、メーカーがやるべき事は・・・
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 ★反省の上に立って、「使い回し不可能な器具」だけを、生産すること。

 ★「使い回し可能な器具」は、不採算になっても、全て回収すること。
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 感染するリスクや健康を阻害するリスクが、少ないから、安全対策を、

 怠っていいということはない。どんな業界にも、「ヒューマンエラー」は、

 存在する。そのエラーを出来るだけ起こさせない事も、立派な安全対策だ。

 だから・・・

 あんまり、現場の医師や看護師に、負担を掛けないように、頼むよ!!

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