毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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数年前までは賛成だった「臓器移植」


 いやぁ〜、冬らしく空気が澄んで晴れ晴れとした天気ですよ。ここ札幌は。

 根雪は未だ。雪が降っても、少量で直ぐに溶けてしまいます。でも空気は冬。

 CO2削減問題にしても、正直に行きましょうよ先進国の皆様。季節のために。

 こんな中で・・・

 職場の後輩の弟が、「クローン病」に罹ってしまいました。現代の難病です。

 「クローン」というのは、クローン羊とかの「クローン」では、ありません。

 発見した医者の中に、「クローン」という内科医がいたので、後にこの名に。

 主に・・・

 口腔から肛門までの消化管全域に、非連続性の炎症及び潰瘍を起こす疾病。

 1932(昭和7)年に「限局性回腸炎」として発見されて以来、現在まで、

 発症する正確なメカニズムを解明し切れないために、「原因不明」とされる。

 現在・・・

 増え続けていて、日本には約2万人の患者がいるようです。欧米の1/10前後。

 遺伝的な原因もあるのでしょうが、食生活の"欧米化"も、大きな要因かも。

 それと、「ストレス」が多い現代社会が、増加を後押ししている可能性が。

 何れにしても・・・

 診断後10年の生存率は、100%に近く、直接、生命に関わることは少。

 ただし、緩解期(症状が治まる)と活動期を、繰り返すのが特徴の慢性疾病。

 症状が治まっても、油断は禁物。完治は難しいので一生優しくお付き合いを。

 以前、私は・・・

 「臓器提供意思表示カード」いわゆる「ドナーカード」を、財布に所持。

 同意のサインには、今は亡き父のものがしてありました。それも今は非所持。

 下記を読めば分かりますが、以前は「臓器移植に賛成」けれど今は「反対」。
 http://www.unlimit517.co.jp/ana178.htm
 http://www.unlimit517.co.jp/ana179.htm

 何故なら・・・

 そこには、「臓器移植をしない人は不幸せ」という考え方が存在するから。

 私は、「人は身の丈で生活する」のが良いと考えます。確かに、目の前で、

 自分の子供が肉親が、死んで行くのは中々耐えられるものではありません。

 でも・・・

 それだからと言って、他人を巻き込み、他人様に「多額の寄付」を募り、

 日本では確率が低いので、アメリカなどに飛び、「臓器提供」を期待する。

 これらは、明らかに、「自分達の身の丈」を超えています。やり過ぎです。

 その間・・・

 残された患者である子供さんらは"つんぼ桟敷"です。「臓器移植」までは。

 寂しいでしょうねぇ。「臓器移植」を受けるまでは「不幸せ」なのですから。

 本当にそうなのでしょうかね。私は"つんぼ桟敷"状況の方が「不幸せ」だと。

 自分の子供だったら・・・

 「お前はどうするんだ!」というお叱りの声が、貴方の口からも出そう。

 今の経済状態だったら、とても「臓器移植」など、考えられないでしょうね。

 もし、金持ちだったら自分達のお金で完結。少なくとも他人に迷惑を掛けず。

 だが・・・

 経済状態に拘わらず「病気の子供を一生懸命愛する」姿勢だけは変わらない。

 その病気に対して「臓器移植」をしてやろうとする親だけが、良い親なの?

 余命数ヶ月と宣告された子供の側に、片時も離れずに、寄り添う親はどう?

 そもそも・・・

 前にもこのメルマガに書いたけど、医者の「余命」程当てにならぬものナシ。

 神や仏でもない医者が「余命」と言い切ってしまう所に、傲慢さが出ている。

 分かる訳ないでしょう、人の生命力なんて。それこそ原因不明の「神秘」。

 実際・・・

 幸せになると思った「臓器移植」で、余命すら生きられず、この世を去る人。

 反対に、余命数ヶ月だったのに、親の愛情を一心に受け、数年生き続ける人。

 人は機械ではない。パーツを交換するのも大切だが、それ以上に、心が大事。

 パーツを交換(臓器移植)しても・・・

 それだって、どんなに検査をして合わせたって、元々は、他人様の臓器。

 自分の身体に合わせるためには、「免疫抑制剤」などを多用し、ある意味、

 「無理矢理自分の物」と誤認させる。その間、患者はずっと苦しみを味わう。

 それでも・・・

 少しでも、長く生きられれば治療を続けた甲斐があるが、それに耐えられず、

 亡くなったら、何のために、「臓器移植」を行ったのか、分からなくなる。

 子供を生かす目的ではなく、結局は、「臓器移植」が目的となり、本末転倒。

 だってさぁ・・・

 日本にしても、外国にしても、「臓器移植」を望むって事は、なるべくなら、

 「誰かが早く脳死になって欲しい」と願うことでしょう。それも、我が子に、

 適合するような臓器を持った人って事。なんだかなぁ、そう考えるとやだな。

 それが・・・

 行き過ぎると、フィリピンやアジアの「臓器ビジネス」に繋がってしまう。

 極端になると、金を積んで、我が子の「臓器条件」に合うような現地人を、

 脳死じゃなくて、殺害させ、その身体から「臓器」を抜き取るということも。

 つい先頃も・・・

 加藤紘一衆議院議員が、男の正体が「中国への渡航移植の仲介業者」という

 顔を知らずに「中国の医師に日本の臓器移植技術を学ばせる機会を」という

 口利きを依頼され、日本移植学会幹部に協力を要請、研修を実現させていた。

 実は、この男・・・

 3年程前から、インターネットなどで集めた日本の移植希望者と中国の病院

 とを仲介、移植を受けさせていたらしい。患者からは、現地通訳料などを、

 受け取っていると語っているが、高額な成功報酬も同時に取っているはずだ。

 知らぬこととは言え・・・

 国会議員さんも、安易に口車の乗せられて、素性の良く分からぬ者の口利き

 などをすると、とんだ目に遭うということを、肝に銘じておいた方が良い。

 こういう輩にとって、少しばかりの顔見知り議員程、使い勝手が良いからだ。

 こんな最中・・・

 ドナー(臓器提供者)の数が足りない日本では、裾野を拡充するために、

 現行法では、脳死での臓器提供に「本人の書面による意思表示」が必要を、

 15歳未満も含め、「家族の承諾のみ」で、提供出来るような動きがある。

 ドナーを・・・

 増やす目的があるからと言って、本人の「尊厳死」までも踏みにじるのか。

 「脳死」でさえ、未だ、受け入れがたい人が多い日本で、本人が死んだら、

 その物体(身体)は家族のものだよって。それは、違うでしょうよ、魂が宿る。

 この法改正は・・・

 どう考えても、「人間は機械。身体はパーツで成り立つ」が根本にあるな。

 だから、パーツを損傷した人には、他の機械が壊れた時に、補充出来るよう、

 間口を広めなければならないって事でしょ。人の尊厳死が歪められている。

 少々・・・

 宗教掛かっているかも知れないが、神様や仏様は、その親なら、その子を、

 そのままの姿で、幸せにしてくれると思ったから、預けてくれたんでしょう。

 それなのに、その親は、パーツ(臓器)が完全じゃないと、幸せにならないと。

 そのままの姿で・・・

 子供を愛せないのかなぁ。確かに、現代医学において、そのままの状態では、

 それ程長く生きられないかも知れないけど、その時が来るまで、子供の側で、

 息遣いを感じ、一生懸命に付き添って上げるのが、真の愛情だと思うがなぁ。

 ただ・・・

 合法的に、自分のお金を遣って、患者に「臓器移植」を施してやるのならば、

 それは、その人の考えだから、全面的に否定する訳にも、行かないがなぁ。

 だけど、「臓器移植」を優先し、人の死の尊厳を軽んじることだけは許さぬ。

 どうぞ・・・

 誰に対しても、出来れば、その人をその儘の姿で、愛おしんでやって下さい。

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