毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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"闘病"とは「がん治療」と闘うことである


 29本目は、洒脱な感じでしたなぁ〜。偏に、この二人が、醸し出す雰囲気。
 http://asa10.eiga.com/cinema/22.html

 30本目もお二人さん登場。ラストシーンは他映画にも流用される程印象的。
 http://asa10.eiga.com/cinema/01.html

 梨さんが亡くなった・・・

 友人みたいに書いてしまったが、何となくそんな感じだった。彼が開拓した

 「芸能レポーター」という分野は、賛否両論あるが、時代が求めたのだろう。

 日本だけじゃなく、芸能人のスキャンダルに興味があるのは世界共通の習性。

 その先鞭の梨さんが・・・

 先日、『肺ガン』で亡くなった。65歳だから、死ぬには未だちと若かった。

 私の勝手な鑑定だが、今の実年齢は、30年位前の"10歳減"と考えている。

 65歳ならば、55歳位。何となくしっくり行く。でも、年相応に体は弱る。

 梨さんが罹った・・・

 『肺ガン』も、マスコミでは、【タバコ】が全ての原因の様に、盛んに喧伝

 しているが、彼自身も非喫煙者だった様に、男でも30%は別の原因である。

 そして、何時も痛感するのが、有名税として、"闘病"を義務付けられる彼ら。

 最近では・・・

 小澤征爾や桑田佳祐等も、わざわざ宣言した上で、"闘病"生活に入って行く。

 まぁ、彼らの場合は、コンサートも含め、周辺の人々に、負担を強いるから、

 しょうがないのかも知れぬが、彼らの選択が"闘病"しかないのは事実である。

 "闘病"って・・・

 「やまいとたたかう」事だよね。がんであれば、「がん細胞と闘う」事だ。

 ところが実際はどうだ。がん細胞を良性か悪性かも判断しない内に、手術を
 http://www.unlimit517.co.jp/ana290.htm

 断行し、極めて貴重な臓器や部位を摘出したり、強副作用の抗がん剤を投与。

 その結果が・・・

 運の良い人は「奇跡的に生還」。でも、「がん細胞」に打ち勝つというより、

 彼らは「がん治療に打ち勝った」という感じ。無駄な手術や抗がん剤に勝利。

 だが、それらにより、表面上は分からなくても、彼らの体はボロボロに変化。

 だって・・・

 抗がん剤の標的は、世間が推奨の"早期発見"により、穿り出されたがん細胞

 だけと思われるが、実際は、圧倒的多数である「普通の細胞」をも攻撃する。

 そりゃ、幾ら体が丈夫で体力がある人でも、段々と体が弱って行くでしょう。

 いわんや・・・

 梨さんのように、「末期がん」と判断された人に、抗がん剤を投与するのは、

 どういう意味を持つのか、一般人でも分かるのに癌専門医が分からぬ訳ない。

 梨さんが"闘病"を選んだかも知れぬが、これ以外の選択肢は提示したのか?

 私は・・・

 以前に"医療業界"に属していました。その頃なら、間違いなく"闘病"選んだ。

 恐らく、医療との距離が近ければ、近い程、人は"闘病"という選択肢を採る。

 有名人は、周辺人物や外野席が多く、中々"闘病"以外の選択肢を採りにくい。

 それでなくても・・・

 ここ日本では、自分自身の体や健康を「医療に委ね過ぎている」と感じます。

 この前、職場の後輩と話していたら、「確かに、先輩の言う事は分かるが」

 けれど「自分の体や健康監視=医療」という方程式は変えられぬという姿勢。

 後輩が・・・

 特別じゃなく、これが一般の日本人でしょう。私の考え方は世間から見ると、

 "極少数派"に過ぎません。けれど、「がん治療」に関しては、"闘病"以外に、

 手術や抗がん剤を選択せず、普通の生活を継続したままの"非闘病"の選択も。

 全てが・・・

 "非闘病"を奨めるのじゃありません。時と場合によっては、"闘病"が必要。

 ただし、現在の医者が、事前に、インフォームド・コンセント(納得説明)で、

 "非闘病"を提示しているかは疑問。現場なら、積極的に関わりたいのが本音。

 だからこそ・・・

 自分自身で"非闘病"という選択肢を持っている必要アリ。良く考えてみれば、

 "非闘病"を提示することは、医療現場にとって、自分達の「治療法」を否定

 してしまうことに、他なりませんから。医療水準を誇るためにも"闘病"です。

 そのためにも、出来るだけ・・・

 有名人を多く救って、世間内外に、医療水準の高さを誇る必要があるのです。

 運良くその有名人が生還を果たしたら、ここぞとばかりに「治療法」を喧伝。

 運悪くその有名人が亡くなって終ったら、如何に"闘病"してくれたと美談に。

 こんな中で・・・

 (一部)海外では使用が認められているが、国内では未承認の「抗がん剤」等

 一部の医薬品について、承認前でも、公的医療保険を適用出来る仕組みを、
 
 導入することを決定。目的は「ドラッグ・ラグ」の解消と患者の負担軽減。

 「ドラッグ・ラグ」とは・・・

 欧米(一部海外)で普及している薬が、日本で承認される迄時間が掛かる現象。

 この仕組みにより、保険適用迄の期間が、約9ヶ月短縮されるとの事である。

 心待ちにしていた患者さんにとっては、朗報だろうと思う。それ程の大負担。

 8月30日から・・・

 第一弾として、次の"5品目"が、保険適用となる見通し。
───────────────────────────────────
 ★成分名:ゲムシタビン 商品名:ジェムザール 追加疾患:卵巣がん
  http://www.e-pharma.jp/allHtml/4224/4224403D1030.htm
───────────────────────────────────
  *厚労省によると、このジェムザールを、卵巣がん患者が使用する場合、
   標準的なケースで、現在は「1日約4000円」。それが、保険適用により、
   患者負担は3割の「1日約1200円」に軽減される。
───────────────────────────────────
 ★成分名:ノギテカン 商品名:ハイカムチン 追加疾患:卵巣がん
  http://www.e-pharma.jp/allHtml/4240/4240408D1029.htm

 ★成分名:ワルファリンカリウム 商品名:ワーファリン
  追加疾患:小児の血栓塞栓症
  http://www.e-pharma.jp/allHtml/3332/3332001F2020.htm

 ★成分名:シクロホスファミド 商品名:エンドキサン
  追加疾患:全身性血管炎など
  http://www.e-pharma.jp/allHtml/4211/4211401D1033.htm

 ★成分名:カペシタビン 商品名:ゼローダ 追加疾患:進行性胃がん等
  http://www.e-pharma.jp/allHtml/4223/4223005F1022.htm
───────────────────────────────────
 
 上記で・・・

 わざわざ、私は「(一部)海外」「欧米(一部海外)」と強調させて頂きました。

 「海外=欧米=医療先進国」というマスコミの喧伝が、必ずしも正しいとは、

 思っていないからです。欧米で実績があっても日本人には効かない可能性も。

 けれど・・・

 現在も苦しんでおられる患者さん達の立場では、望むのも、やむを得ません。

 しかし、なし崩し的に、「抗がん剤」が、欧米の実績のみにより承認される

 のは、如何なものかと思慮しています。この経緯については次の通りの様子。

 厚労省の検討会議で・・・
───────────────────────────────────
 ■海外で、十分な使用実績があれば、国内での臨床試験をせず承認出来る
  「公知申請」の仕組みを活用し、早期に適応の病気を拡大すべきだ!
───────────────────────────────────
     ↓
───────────────────────────────────
 1.使用出来る薬に、国内外で差がある問題に対応するため、国内承認の
   要望があった「374品目」について、海外での使用状況や医療上の
   必要性を検討。
───────────────────────────────────
     ↓
───────────────────────────────────
 2.平成22年4月に、第一弾として、今回の薬を含む「109品目」を
   製薬企業に、早急に"承認申請してもらうべき薬"として、選定していた。
───────────────────────────────────
     ↓
───────────────────────────────────
 3.平成22年8月25日、厚労省の諮問機関・中央社会保健医療協議会
   (中医協)から、「公知申請」の仕組みを導入する決定が発表される。
───────────────────────────────────
     ↓
───────────────────────────────────
 ■平成22年8月30日、第一弾である"5品目"が公表される。
───────────────────────────────────

 海外で十分な使用実績・・・

 =欧米で十分な使用実績=欧米の実績を信用=国内臨床試験しなくてもOK

 まぁ、使いながら、実績を見ていけばいいや。患者さんが望んだんだからな。

 重篤な副作用は、製薬会社や医者のせいにすれば、事足りるしね。が本音?

 恐いけれど・・・

 図星でしょう。最もらしく「公知申請」なんて、付けているけど、現実は、

 「欧米でも、日本の患者さん等の間でも、広く知られていた(公知)のだから、

  自分達(厚労省)の責任ではないよ。承認し、負担軽減するから後は宜しく」

 最後に、もう一度言います・・・
───────────────────────────────────
 ●"闘病"とは、「がん細胞」と闘うにあらず、「がん治療」との闘い。

 ●"闘病"とは、「がん細胞」のみならず、「普通の細胞」にも攻撃を。

 ●"闘病"とは、現代の医療水準を世間に喧伝するための選択肢である。
───────────────────────────────────

 どんなに医学が進歩しようとも・・・

 人間の体にとって、異物であり毒物である薬から、副作用が消える日はない。

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