|
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
お探しのものが見つかりませんか? Googleで検索して見て下さい。
|
ここ札幌も、ここへ来て、漸く暑い日もちらほら。でも、長続きはしない。 夏男の私としては、もう少し夏を感じたい。まぁ、それも贅沢な悩みなのか。 これ好きですよ・・・ 特に、鏡の自分を通して、語りかける「You talkin' to me?」。名台詞です。 http://asa10.eiga.com/2011/series2/cinema/179.html 今も無くならないが、40年以上前の米。彼らは、息をするのも困難だった。 http://asa10.eiga.com/2011/series2/cinema/198.html 台詞は、アドリブであろうと、なかろうと、それらを構成する重要な屋台骨。 もうお忘れですか・・・ ─────────────────────────────────── 今を遡ること3ヶ月。場所は「焼肉酒家えびす」。富山、福井、神奈川県。 ユッケ(生肉)等を食べた客115人。その後、食中毒になり、4人が死亡、 24人が重症。原因菌は病原性大腸菌O111、O157、と特定された。 ─────────────────────────────────── これが報道された時・・・ 私は不謹慎にも、「そう言えば、最近、生肉なんて、食べてないなぁ」と、 頭に浮かび、同時に呟いていた。それから、生肉を、年端も行かない子供や、 女性が食しているのを聞いて、違和感を覚えた。生肉=オヤジの専売特許。 そういう認識だったから・・・ 貴方は「生肉」が好きですか? 私は特に毛嫌いをするものではなく、ただ、 リスクがあるので、控えていたに過ぎません。私は、7年程、畜産に関わる http://www.unlimit517.co.jp/ana27.htm 仕事をしていたので、純粋な「和牛」があんな安価で、提供は出来ない事も。 実際・・・ この事件の根本の問題はどこにあったのか? それは、今の日本国内には、 「加熱用牛肉」は存在しても、「生食用牛肉」は存在しないということです。 厚労省が把握しているだけでも、2007年度以降「生食用牛肉」存在せず。 それなのに何故・・・ 「生食」が氾濫しているかというと各店舗の「自主判断」。お客のニーズに、 合わせて、提供し続けていたという事です。但し、厚労省(当時の厚生省)も、 手を拱いて、見ていた訳ではない。1998(平成10)年に、こんな通達を。 http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1009/h0911-1.html この中に・・・ 今回も問題になった「トリミング」という項目がある。「トリミング」とは、 表面の細菌汚染を取り除く為、筋膜、筋等表面を削り取る行為の事だそうだ。 菌は、通常、筋肉の中までは入り込まないので、これで"除菌可能"とのこと。 (但し、ミンチ肉には、菌が入り込む可能性があるので、ハンバーク要加熱) でも・・・ 問題となった「焼肉酒家えびす」に限らず、この「衛生基準」を守っていた 飲食店、食肉処理業、販売業者は約50%。だって、この「衛生基準」には、 法的強制力がないし、罰則もないから、手間と金を惜しむ現代の業者は省く。 詳細はこう・・・ ─────────────────────────────────── 厚労省は、全国で、「生食用」の牛肉(実際には存在せず)と馬肉を取り扱う 飲食店、食肉処理業、販売業の計19856施設を立ち入り調査 ─────────────────────────────────── ●9451施設が「衛生基準」に達しておらず(47.6%) ─────────────────────────────────── ・「サルモネラや大腸菌の自主検査を実施していない」 8036施設(85.0%) ・「器具の洗浄消毒に83度以上の湯を使っていない」 4851施設(51.3%) ・「トリミング直前や一つの肉の塊ごとに手や器具を洗浄消毒していない」 3106施設(32.9%) ─────────────────────────────────── *各%の合計が100を超えているところから、これらが重複していた 飲食店、食肉処理業、販売業等も、かなり存在したのだろう。 「生食用牛肉」が実際は存在しない上に、この衛生管理では、食中毒 を起こして、当たり前だと言える。出来ないなら、客に出すな!! その前に、「加熱用肉」を「生食」で出すなよ。他のところがやって いるから、自分のところも。まるで、子供と同じ精神構造だな。 ─────────────────────────────────── それと・・・ ─────────────────────────────────── この「衛生基準」に関しては、それなりの変遷があったようだ。 ─────────────────────────────────── ■厚生省(現厚労省)は、腸管出血性O157による食中毒を受け、1998 (平成10)年9月に、ガイドライン「生食用食用食肉の衛生基準」策定。 ─────────────────────────────────── *法規制を設けるには、科学的知見が足りず、関係省令も完全施行されて いないとして、「規格化」を見送る。 ─────────────────────────────────── ■月刊誌「食品衛生研究」にて、厚生省乳肉衛生課の担当者(当時)が、 「(完全施行される)2000年4月以降は成分規格とする予定」と表明。 ■その後、法規制されず。 ■2002(平成14)年以降毎年、都道府県などの担当者で作る「全国衛生 主管課長連絡協議会」にて、厚労省に、「法規制」を要望。 ─────────────────────────────────── *事務局の東京都担当者は「規格がなければ、素早い対応が出来ない」と。 ─────────────────────────────────── ■対し、厚労省は「ガイドラインが守られており、法規制は必要ないと考え ていた。自治体制側の要望の内、生肉の危険性の啓発は行っている」と。 ─────────────────────────────────── *自らの立ち入り調査で、半分の業者はガイドラインを守っていない事が 判明した。もう、これ以上、野放しにすることは出来ないだろう。 ─────────────────────────────────── 今のところ・・・ ─────────────────────────────────── 法律による罰則の内容は、「営業停止」に加え、悪質な場合、責任者は 2年以下の懲役、または、200万円以下の罰金となる見込みだ。 業者はどう考えるかなぁ。法を遵守して、健全営業するか、それとも、 ばれない内に、短期間でたんまり儲けて、売り抜けるか。神のみぞ知る。 ─────────────────────────────────── それから・・・ 腸管出血性大腸菌O111、O157…。Oって、現在、何番まであるの? 今現在では、約180に分類されているとの事。どの様に分類されているか というと、菌の表面にあるO抗原(細胞壁由来)とH抗原(べん毛由来)の種類。 更に・・・ O157でも、ベロ毒素を産生し、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な 症状を示すものは、H抗原が「H7」と「H−」の2種類が、存在します。 ベロ毒素にも2種類。「VT1」「VT2」。今回の「VT2」毒素強し。 ─────────────────────────────────── *溶血性尿毒症症候群(HUS)=Hemolytic Uremic Syndrome。特徴は、 「貧血」「血小板減少」「腎機能障害」。初期症状としては、顔色が良く ない、尿が少ない、浮腫、意識障害など。腸管出血性大腸菌感染による 代表的な重症合併症の一つである。 *今回注目されたO111(主に牛の腸に存在)においては、菌が数個〜数十 個と少なくても発症する可能性アリ。症状が出るまでに3〜4日。一般的 な下痢症状と異なり、水溶性の激しい下痢が起き、赤いワイン状の血便が 出ることもアリ。 *動物の肉のリスクを考えると、「サルモネラ菌」「カンピロバクター菌」 「ウィルス」「寄生虫」など、様々なものが付着している。良く聞く事に 『新鮮だから安全』。でも、付着している側の本音は、『新鮮だからこそ、 俺達も気持ち良く生きられる』じゃないでしょうか。これからは衛生基準 を守らない「新鮮な汚染肉」程、リスクが高いと再認識すべきです。 ─────────────────────────────────── (詳細は)→ http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html ─────────────────────────────────── 大腸菌というのは・・・ 冷蔵庫などの低温状態では殆ど増えない。しかし、常温では1時間で8倍に。 但し、腸管出血性大腸菌感染というのは「飲食物を介した経口感染」である。 従って、空気感染や接触感染はしません。誤った知識から、差別しない様に。 それから・・・ 「焼肉酒家えびす」の運営会社だった「フーズフォーラス社」は、6月廃業。 代理人による「情報提供ホームページ」作成中との事(本当にまだ準備中)。 http://www.foodsforus.info/ それにしても食肉卸「大和屋商店」の追及はどうなったのでしょう。変だな。 メールの件といい・・・ オークションでの一件といい、突っ込み処が満載なのにな。「大和屋商店」 何か突っ込めない「大きな壁」があるのでしょうか。私共には知る由もない。 「Food for us(フーズフォーラス)」企業理念「売るより与えよ」。誰に与えたの? 欧州では・・・ 野菜を発端とする「O104」が猛威を振るい。日本だって、豚肉やレバー の生食には、今までは存在しないとされていた「アジア条虫」も確認済み。 基準とされている75度1〜2分の加熱では死滅しない「ウェルシュ菌」も。 それまでの・・・ リスクを冒して、貴方はまだ「生肉」を食べたいですか? 私は入らない。 別に、それに拘らなくても、他に美味しい食べ物がたくさんあるのにねぇ〜。 多くの場合、「安さ」=「リスク大きい」だから。店主の素性が分かる店で。
|
|||||||||
Copyright (C) Unlimit Corporation. All Rights Reserved. |