毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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外見より「見えぬ衰え」を自覚する勇気


 今世では年上の御仁にきつく物申す。仕事とは言え、実に辛い面も存在する。

 でも、ある壁を乗り越え、表情が変わる。嬉しい瞬間。歩みの程はそれぞれ。

 それでも・・・

 人の肉体は、年齢を経れば、衰える。認めたくはないが、それは紛れ無き事。

 幾ら身体を鍛えようとも、幾らサプリメントを摂ろうとも、中では進行する。

 世の中も、自分の外も、「若さが一番」だと思い込んでいるし、それを誇る。

 だが・・・

 「若さ」が「一番」だろうか。表面的に若い事が全てに勝る?おかしな風潮。

 見た目を若くして、悦に入っているのが現代人。それを煽っているマスコミ。

 その悦を巧く誘い込み儲ける企業。それが証拠に、この手のCM大手を振る。

 貴方も・・・

 それらに踊らされていないか。私も踊らされていた時期がある。良い事だと。

 それらは、思考力が低下する深夜や早朝に集中。放映料も安いから一石二鳥。

 こうして多くの人達は洗脳されて行く。商品に紐付きの信者を沢山生み出す。

 知らず知らず・・・

 継続させられる信者(消費者達)。有効成分が実際は含有量あるのか?サプリ。

 その有効成分が化学的に良い事は何となく証明済。でも、貴方の身体と違う。

 しかも、サプリなんて治験データ殆ど無し。故に、「個人」の違いで逃げる。

 その上・・・

 有効成分以外の混ぜ物(賦形剤)をケチる事によって、製品のコストを抑える。

 その中に、有害な物が混ざっていないと、誰が分かるだろうか分かる筈無い。

 米では、数十年間地中にあった死体から、有害成分が検出された事例もある。

 私は・・・

 こう思っている。一見身体に良いと思われるサプリは「気のせい」であると。

 こんな実験、金にならないからやらないと思うが、一方をサプリ、他方を、

 偽薬(有効成分は含んでいる事にする)の対象治験。さぁ、結果はどうなる?

 恐らく・・・

 それ程、効果は変わらない。何故なら、それらを裏付ける諺が存在するから。

 「病は気から」「鰯の頭も信心から」どちらも「気のせい」という事である。
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  *「鰯の頭」は、身体にも良い様な気はしますが…。
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 「科学的ではない」と貴方は言うかも知れない。しかし、諺=統計学では?

 多くの人々によって・・・

 語り継がれて来たからこそ、諺として、現在も存在していると私は思います。

 「科学的」にも、「プラシーボ効果(偽薬効果)」というのが分かっています。

 何となく現在が良い感じなんであれば、そのまま、企業に献金するのも方便。

 全面的に・・・

 否定はしません。貴方の身体ですから。けれど、他人に奨めるのは厳禁です。

 何故なら、貴方の身体と他人の身体は違うから。一筋縄で行かぬのが人体で。

 実は、昨今の「高齢者による山での遭難」の根底に、この問題が潜在する?

 つい先日も・・・

 北アルプスで、3組8人(60〜70代)が遭難死。我が北海道でも遭難死増。
 http://www.unlimit517.co.jp/gnews254.htm

 2011年道内で発生した山岳遭難55件(過去5年最多)。遭難者は60人。

 内、60歳以上が29人(52.7%)。此処から導き出される教訓は何か?

 肉体の衰え・・・

 である。経験も大切であるが、それ以上に、自然が相手の場合、肉体=体力。

 典型的なのが、3月道内で起こった遭難事故。死亡66歳男。生存20歳女。

 66歳男はヒマラヤ遠征経験もあるベテラン。20歳女は登山歴僅か1年半。

 低体温症・・・
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 ●登山経験と関係なく、年齢によって、体温調整機能は衰える。
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 ●加齢と共に、体温の低下を防ぐ機能が衰え、筋肉の衰えから、
  熱を生み出す機能も落ちるため、体温を維持出来なくなる。
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  *筋肉に力を入れる事で、エネルギーを消費。それで熱を作り出し、
   身体を温めて、寒さに耐えようとする。
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 ●60代は、体温調整機能の衰えが急激になる。
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  *日本救急学会は、昨年、「低体温症」について、全国の医療施設で調査。
   「低体温症」の症例は418例。その中、患者の平均年齢は70.4歳。
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 ●皮膚は、体外に熱を逃さない役割を果たす。だが、高齢になると水分量が
  落ち、熱が逃げやすくなる。高齢者は、一端、体温が下がると戻りづらい。
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  *身体に力を入れて、身体を丸め、外気に接する身体の表面積を小さくし、
   体外に熱を逃さないようにする。
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 ●「低体温症」になると、躓く等の運動障害を起こしたり、辻褄が合わない
  事を話したり、低温なのに、服を脱いでしまうなど、正常な判断出来ない。
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  *もしかして、「充分な装備」があったにも拘わらず、その装備を、
   「低体温症」による影響で、付けていなかったという事例もあるのでは。
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 ●寒さは、甲状腺ホルモンの分泌促す。このホルモンは身体中の様々な細胞
  代謝を盛んにする。その結果、エネルギー消費が増え、沢山の熱によって、
  身体が温まり、寒さに対抗出来る。

 ●急激な体温低下等には、交感神経が素早く反応。皮膚が収縮し、鳥肌状態。
  それにより、皮膚からの放熱を防ぎ、脂肪組織で脂肪分解により熱発生。

 ●上記でも足りない場合、手足の筋肉が震えだし、収縮により熱発生利用。
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  *だが、何れの方法でも、蓄えたエネルギーを大量消費。身体は疲労。
   新陳代謝が衰えた高齢者では、その影響が、若年層より顕著である。
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 「年寄りの冷や水」・・・

 「団塊世代の傲慢」「諦めの悪さ」等、感情的な側面や、「装備不充分」等

 実際的な側面にも、多くの課題が含んでいる事は否めないが、一番は体力衰。

 その自覚なのではないだろうか。無自覚を増長させているのが世の中の風潮。

 省みすれば・・・

 私自身、中身は量れぬが、外見の衰えは鏡で感じる。若い頃とは確実に違う。

 でも、身体の衰えは、外見の衰え程は自覚していない。それは見えないから。

 まして、一見若返りを図り、それなりなら、身体の衰えの自覚は、なおざり。

 心身における

 アンバランスが顕著になる。ここに「外見は大丈夫。肉体は悲鳴を上げる」。

 日常の生活ではカバー出来ても、大自然を相手にすると、ひとたまりもない。

 この「心身のアンバランス」が、昨今の遭難事故の要因ではと推測している。

 砂時計の砂が・・・

 落ちるように、毎日、身体は衰え、死に向かう。それは確実。砂は戻せない。

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