毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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理不尽でも世の中は始まりそして終わる


 "6日目の晩餐"で酒と食糧を買って、良い気分で馴染みのセイコマから出た。

 歩道を通っていると脇道から赤い車。止まらずに私に迫る。私の怒声が闇に。

 去る・・・

 10月16日、私は夜勤。社の付帯業務も重なる深夜0時。何時もの様に‥。

 0時3分、突然PHSが音を立てる。滅多に掛からぬ場所からの着信がアリ。

 内部で勤務する人間からだ。「社員が急に倒れました。救急車を頼みます」。

 極度の緊張は・・・

 なかったが思わず背筋がピンと張る。「了解しました。直ぐに手配します」。

 私自身、これで「3度目の緊急要請」である。過去、2度は助かり、回復す。

 今回も助かると心から信じていた。0時4分に通報し、5分後に救急車臨場。

 本来は・・・
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 1.年齢(年代でも可)

 2.性別

 3.意識があるか?ないか?
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 *最低限でも、この3点を聞かなければならない。1、2は凡そ分かったが、
  「意識があるか?ないか?」についてはハッキリ分からない。只、作業終
  了時に「突然、倒れた」との事だったので、緊急を要するのは間違いなか
  った。又、退社時間と重なったため、慌しかったのは確かだろう。

  救急車の要請を受けた場合、一番判断に困るのは「目の前に患者が居ない」
  「自分の目で確かめられない」という事である。その上、相手も可なり慌
  てているため、冷静な判断が難しいという事実もある。その中で、救急車
  を呼ぶため、「緊急」に焦点を絞り、多少情報がなくても、『巧緻より拙
  速』で119番をした。情報は後付出来るからでもある。この時も、救急
  車が現着後、素早く、通報者に頼んで、救急隊員に病状を説明してもらう。
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 119番が・・・

 上記のような事を確認するようになった背景には、安易に救急車を利用する

 「コンビニ受診」の抑制があるのだと考える。それ程、世の中には非常識な

 人々が増えて来ているのである。その為に、本当に必要な人に行き届かずも。

 詰まり・・・

 そんな非常識な人間の為に「命を落とす」事もあり得る。理不尽極まりない。

 こんな状況から、119番では「本当に緊急性があるのか?」を聞く必要が。

 20年位前はこんな事はなかったんだろうなぁ〜。救急車=緊急の時のみで。

 最近、私の住む隣の市でこんな事例が・・・
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 日時:9月21日 午後2時30分ごろ
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 場所:C市内
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 状況:交通事故で、母親と子供3人が怪我を負った。
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 救急:C市消防本部の救急車が出動中だった。
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    4人は、C署のパトカーで、E市内の病院に搬送された。
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    上記病院では受け入れ出来ず。
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    E市消防本部に出動要請が入る。
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    そこの救急車が搬送する際、救急隊員は、電話で、S市H区の病院に
    収容依頼したつもりだったが、誤って、S市A区の病院に依頼。
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    H区の病院に到着後、誤りに気付き、受け入れ準備をしていたA区の
    病院に搬送。通常33分が、誤搬送で49分を要す。16分の遅れ。
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    幸い、母子4人の命に別状はなかった様である。
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    *E消防本部では、昨年、通報者の住所などを誤り、救急車の到着が
     遅れるという事例が2件あったとの事だ。
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 S市ではこんな「裁判沙汰」も・・・
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 日時:2011年2月12日 午後9時ごろ
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 場所:M区の男性患者宅
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 状況:近くに住む親類の119番で、救急車が出動。
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    しかし、出動先を間違ったため、約10分遅れで、男性宅に到着。
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    男性は、搬送時点で、意識が無い「心肺停止状態」。
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    17日後に、亡くなる。
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 裁判:亡くなった男性の遺族が、S市に300万円の慰謝料を求めた訴訟
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 遺族:救急車到着の5分前までは呼吸しており、迅速に搬送していれば生存
    していた可能性がある。
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 S市:市の調査では、「死亡」と「ミス」の因果関係は無い。
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 *確かに、遺族の言う可能性はあるだろう。しかし、「救急車の5分前まで
  は呼吸していた」という事を、証明出来るのは遺族の証言しかない。第三
  者による「客観的な事実」が必要になってくるのではないか。

  だが、出動先を間違え、10分遅れたというのは、明らかに救急車側のミ
  スである事は間違いない。その辺りをS市はどう捉えるのかが焦点。
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 件の社員は・・・

 心臓の手術を受けて間もなかったそうだ。それが再発したのかは定かでない。

 けれど、搬送の甲斐なく、病院で亡くなったとの事である。社員の上司から、

 この事を聞かされた時、一気に脱力感が訪れた。同時に、彼の顔が浮かんだ。

 帰宅してからも・・・

 脱力感は暫く抜けなかった。仕事としては、やるだけのことはやった。でも、

 彼の死を思う時、「命の重さ」をひしひしと感じる。どうしようもない無念。

 「AEDを使用‥」という考えも浮かんでは消えた。時間ロスは無いのだが。

 命を助けられなかった・・・

 思いが体を駆け巡った。どうしようもない事はある。分かってはいるけれど。

 両親の火災爆死の時もそんな念に駆られた。手の施しようが無い。無力感が。
 http://www.unlimit517.co.jp/gnews265.htm

 各都道府県市町村で、ここに挙げた様な事例が1件でも多く、減って欲しい。

 それと・・・

 無責任極まる「コンビニ受診」はするな!!間接的殺人をしたくなかったら。

 其の為に、御手数ですが、救急車を要請する場合「意識のある?なし?」は、

 確実に伝えて上げて下さい。その一呼吸が患者を助ける一言になるだろうと。

 世の中は・・・

 何時も「我が儘な人間」に振り回される。割を食うのは「誠実な人間達」だ。

 けれど、それでも「誠実に」生きる。そういう人達が、報われる世の中でと。

 そう思わずには居られない今日この頃。それでも1日は始まりそして終わる。

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