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「CJD」から病気を読み解く!? このメルマガで「BSE」については、何度も取り上げたのだが、人間側か らの「CJD」についてはほとんど書いていなかった。今回はこれを・・・。 【「CJD」とは何?】 「BSE」は分かるけど、「CJD」って一体何?って思った人が、意外に多 いのではないだろうか? C…Creutzfeldt J…Jakob D…Disease 日本語に訳すと・・・『クロイツフェルト・ヤコブ病』である。 「な〜んだ」と思ったのではないですか? 牛のBSE(Bovine Spongiform Encephalopathy 牛の海綿状脳症[俗称:狂牛 病])によって引き起こされるといわれている「ヒトのプリオン病」の名称だ。 最近では、古典的な弧発性(sporadic)CJD[s-CJD]よりも、変異型(variant) CJD[v-CJD]や新変異型(new-variant)CJD[nv-CJD]と呼ばれるものが注目 とされているが・・・。 【これが「CJD」という病気】 [発見者・研究者] 1920年代の初頭、独の神経病理学者"クロイツフェルト"と"ヤコブ"によっ て、神経病理学的に特徴のある致死的症候群に一つとして、記述される。 [作用機序] *実際は、詳細に判明していない部分も多い。 正常なプリオン蛋白→神経細胞表面へ発現される→再び、細胞に取り込まれる ↓ *何らかの「生理的機能」を発揮 (上記経路のどこかで)→正常プリオン蛋白→蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)に 抵抗性の異常プリオン蛋白に変化 ↓ 『"プリオン病"』を起こす←分解出来ずに、脳内に蓄積、神経細胞に 障害を与え、変性壊死脱落させる [発生率・発症年齢] 日本を含め、「s-CJD」に関しての発生率はだいたい同じくらいで、人口100 万人に1人くらいである。それからすると"極めて稀な疾病"と言えよう。この 発生率の地域差がないことも『CJD』の特異性の一つ。 唯一例外的と言える事例は「パレスチナ地方」において、発生率が人口100 万人に30人と"30倍"ほど他の地域より飛び抜けて高い(理由は明らかでない)。 50〜75歳の発症頻度が高い(平均で62歳くらい)、男女の頻度にほとんど 差はないが、やや女性の方が、高い傾向にある。 「現在(2005.2.17)、治療法は確立されておらず、対処療法しかない。 しかし、いったん発症すると、"短期の内に確実に死に至る"難病」 [感染源] ●BSEに感染した牛(牛肉)を食べることによって ●スクレイピー(BSEの羊版)に感染した羊(羊肉)を食べることによって ●遺伝的なものによる(家族性…約15%) ●医療に関連するもの(医原性…約1% 可能性は低いが) ・CJDの患者に使用した「深部脳波電極針」を使われた次の患者が感染 ・CJDの患者の死体から採取した角膜を移植されて、感染 ・死体の脳下垂体から抽出した「ヒト成長ホルモン」の投与を受け、感染 ・ヒトの「死体硬膜製品」を脳外科手術の際に移植され、感染 *紫外線やエタノールによる消毒は、無効である。 ●経口感染はないとされているが、大量の病原体を、経口摂取した場合の発症 が疑われている。 [症状] 《初期段階》 1.「精神症状」(イライラ、焦燥感など様々な形がある) 2.「高次機能障害」 ●記憶力・計算力の低下 ●失見当識[時間、場所、人物、周囲などの状況が正しく認識出来ない] ●行動異常、性格の変化、無関心、不安、不眠、幻覚 ●失認[大脳の局所的病変によって起こる。感覚器は完全だが、対象物を認識 出来ない] 《発病〜数ヶ月》 ●痴呆(認知症[訳分からん命名だが…]) ●妄想 ●失行(運動麻痺や精神病ではないが、意志的な行為がうまく出来なくなる症状) ↓上記が、急速に進行 ●筋硬直 ●深部腱反射亢進(腱を強くどこかにぶつけることにより、その刺激が引き金 になり、瞬間的に筋肉が収縮される) ●病的反射陽性(病気の時にしか現れない反射が出る) 《3〜7ヶ月》 ●起立、歩行が困難になる。 ●遂には、無動性無言状態(寝たきり)に陥る。 《1〜2年》 ●全身衰弱 ●呼吸麻痺 ●肺炎などの呼吸器病を併発して、死に至る事が多い。 [追記] 新変異型CJD[nv-CJD]は、"20代"という若年で発症するケースが多い。 (初期段階)不安、感覚障害→(約1年ほどで)→無動性無言状態(寝たきり)に *経過が長く掛かる理由は「異種病原体が、ヒトへの種差を乗り越え、コピー するのに、時間が掛かるため」と推測 【"恐いデータ"が存在する】 安易に、「米国産輸入牛肉の解放」を受け入れてはいけないデータがある。 それは・・・ [英国のCJDによる死者数] ○1995年(変異型CJD[v-CJD]が発見される) ・変異型CJD[v-CJD] 3名 ・弧発性CJD[s-CJD] 35名 ●2001年 ・変異型CJD[v-CJD] 20名 ・弧発性CJD[s-CJD] 53名 *これまでは、古典的なs-CJDの増加について、「調査や診断技術の進歩」した ためだと言われていた。 しかし、実は・・・ 「"古典的なs-CJDの増加"と"BSEの増加"もリンクしていたのである」 現在、算出されている『BSE感染牛を食べて、人間が何人発病するか?』 という予測データはあくまでも[人口当たりのv-CJDの発病数]に基づいている。 「これに、s-CJDの増加分も含めるとどうなるのか?」 確かに、発病率はそれらを含めても、他の病気に比べて、低率である事は間 違いないだろう。しかし、ほとんど確実に「死に至る」とんでもない難病なの である。単純に"確率論"だけでは、語れない部分がここには厳然と存在する。 「オーストラリア産の牛丼でいいっしょ!無理することはないって!!」 それは↓の事実からも言えるのではないだろうか。 ─────────────────────────────────── *2005年2月4日、厚労省が発表。 BSEがヒトに感染したのが原因とされる「変異型クロイツフェルト・ヤコ ブ病(v-CJD)」の男性患者が確認された(最初はs-CJDとされていた)。 男性は、2001年12月。40歳代で、焦燥感やイライラといった精神症 状を発症した。その後、症状が進行し、「痴呆」で寝たきりの状態になり、昨 年12月に死亡。輸血や献血歴は確認されていない。英に短期居たのが、感染 源とされているが…。 ───────────────────────────────────
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