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誤解されている"放射線"って、 ホントに危ないの!? 以前、誤解されている代表として"電磁波"を取り上げました。今回は、それ に勝るとも劣らない誤解度である"放射線"を題材に挙げてみます。果たして… 【"放射線"という言葉にも誤解が…】 先ず、 「"放射線"とは一体何か?」 科学的には、色々な種類の粒子線や"電磁波の総称"を指しています。例えば、 医療で良く使われる「エックス線」、他には、ガンマ線、アルファ線、電子線、 陽子線、中性子線、宇宙線などが、具体的な名称に当たります。 それでは、何か恐ろしい感じのする「放射能」とは? 放射線を出す"性質"や"能力"(働き)の事です。 つまり、懐中電灯に例えると「懐中電灯から出る光=放射線」 「懐中電灯がその光を出す能力=放射能」 「なんのこっちゃ??」 そう思われるのも、無理はないと思います。何故なら、"放射線自体"は、見 えないし、感じられないし、触れられないし、音も出さなければ、味やにおい などもありません。 「だから、意識や実感をする事が出来ない。雲を掴むような話です」 でも、実際、人間は日々様々な場所で、"放射線"を浴びて、生きています。 その放射線には、大きく分けて2つの種類があります。 1.自然放射線…地球の外から降り注いでくる「宇宙線」、大地からの「ガン マ線」、大気中の「ラドン」、食物に含まれている放射線物 質からの放射線etc…。 自然放射線量一人当たりの世界平均 → 2.4ミリシーベルト* (日本は1.5ミリシーベルト) この値は、地域差が非常にあり、ブラジルやインドの一部では、平均の5〜 50倍に及ぶ数値を示す所が、実在する。しかし、その地域住民が、他と比べ て、顕著に「ガンの発生率」などが高いと言うことは、報告されていない。 *[シーベルト(Sv)]とは?=「人が受けた放射線影響」の度合いを示す単位 ↓ これポイント! 2.人工放射線…自然放射線に対して、「エックス線」を代表として、医療や 食品の分野などで人工的に作り出したモノ。 「それでは、この"人工放射線"が、人体に与える影響はどれほどか?」 【"人工放射線"を有効活用する医療】 それでは、実際の医療現場では、どれくらい、また、どの様に"人工放射線" を使っているのか? 調べて見ましょう。 ○エックス(X)線検査[=レントゲン検査] これは最も知られた医療における利用。エックス線が、人体を透過(通過)す る性質をうまく使う。このエックス線の吸収率が、各部位で違うため、吸収差 が、フィルムに写し出される。 検査には、写真を撮るための「エックス線撮影」、テレビなどで観察しなが ら、検査する「エックス線透視」などがある。 *この検査に関する「被曝量」は? ●胸部エックス線集団検診 0.05ミリシーベルト/1回 ●胃部エックス線集団検診 0.6ミリシーベルト/1回 ●頭部エックス線検査 2.0ミリシーベルト/1回 ●腰椎エックス線検査 3.0ミリシーベルト/1回 ●胃エックス線透視検査 15.0ミリシーベルト/1回 ●小児股関節エックス線検査 0.002(男児)/0.001(女児)/1回 ○CT検査(エックス線CT検査) CT=Computed Tomography [コンピュータ断層法] CT装置が、エックス線管球から、エックス線を出しながら、身体の目的の 範囲を、らせん状に回転させ、コンピュータを使い、輪切り(断面)像を連続し て写し出す。 この事により、身体(頭部、躯幹部、四肢など)の内部構造を、精密に検査す る方法。この方法は、現在、数ある「画像診断法」の代表的な検査法。 ●頭部CT検査 46ミリシーベルト/1回 ●胸部CT検査 6.9ミリシーベルト/1回 ●腹部CT検査 20ミリシーベルト/1回 ○放射線治療(放射線療法、X線療法、コバルト療法、電子線療法、放射線照射) 最初に、治療計画を「計画用コンピュータ」で徹底的に検討を重ね、"最適な 治療法"を決定してから、開始する。 体内に、悪性腫瘍(ガン)などがあると、そのガン細胞を殺すために「放射線」 が使用される。ただ、「放射線」の特性として、ガン細胞だけではなく、正常 細胞さえも駆逐してしまう。 しかし、何故有効なのかというと、ガン細胞の様に細胞分裂が盛んなモノは 「放射線に対する感受性が高い」ため、非常に効果的で、有効なのです。 『放射線治療』は根気との勝負でもあります。一般的には、数週間に渡って、 20数回前後に分けて繰り返され、正常細胞の回復を図りつつ、ガン細胞を徐 々に殺して行く治療法。 ●放射線治療の被曝量(例・週5日×6週間) 2,000ミリシーベルト×5日×6回=60,000ミリシーベルト *これは、かなりの被曝量になる。ただ、そのままでは、命が危ない「ガン」 という性格を考えると、"被爆による危険性"と"命の危険性"を両天秤に掛け るという事になる。それだけに最初の綿密な「治療計画」が肝要になる(も ちろん、医師の充分なインフォームド・コンセントも)。 『被曝によって被る「損」よりも、医療上受ける「益」の方が多いと判断。 これを、医療被曝の「正当化」と呼ぶ』 ○ラジオアイソトープ(核医学)検査 放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を、経静脈的または経口的に投与する事 により、それが、色々な臓器や組織などの集まり、そこから、「微量の放射線」 を放出。 その放射線を、専用カメラで検出し、臓器や組織などを写し出す。 ●「放射線の被曝量が少ない」「副作用もほとんどない」というのが利点 ↓ ●1回の検査の被曝量 5ミリシーベルト程度 【実際、どの位"被爆"したら、危険なの?】 上記の"被曝数値"を見ると、『放射線治療』以外は取るに足らない数字で、 ある事に気付く。現在の常識では「人工放射線は、適量浴びる方が、健康に良 い」とされている。 実際の医療現場でも、一般臨床医より、被曝量が高いと思われる放射線医の 方が「ガン死亡率」が低くなっているという実例もある。 「それじゃ、どの位の被曝量が危ないのだろうか?」 一応、以下のような基準がある。 ─────────────────────────────────── ○安心レベル 30ミリシーベルト以下 悪い影響は起こらないので安心 △注意レベル 30〜500ミリシーベルト以下 悪い影響が現れる可能性アリ ×危険レベル 500ミリシーベルト以上 臨床的症状が現れる ─────────────────────────────────── ただ、1999年9月に起こった「JCO東海事業所の臨界事故」では、次 のようなデータが残っている。 16,000〜20,000ミリシーベルトの被曝…O氏 6,000〜10,000ミリシーベルトの被曝…S氏 ─────────────────────────── 2名は死亡 1,000〜4,500ミリシーベルトの被曝…S氏 → 生存 この結果を基にして言うと、「5,000ミリシーベルト以上の被曝」は 非常に"死亡する危険性"が高いと推測される。 [JCO臨界事故の詳細] http://tinyurl.com/6enbt 「けれど、普通に生活している分には、 "放射線"を必要以上に怖がる必要はないとの結論に達する」
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