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やさしく読み解く入門」


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日本の商社も!
サハリン石油・ガス開発による
環境破壊のひどさって!?



 『"知床"が「世界自然遺産」に選ばれたのは、嬉しいが・・・(推定)』

 サハリンの石油・ガス開発により、北海道の生態系が壊されつつあるのをご
存じか?このままでは大規模な海洋汚染も。どこまで"エゴ"を助長させるのか…


【誰のための"プロジェクト"なのか?】

 ある調査の結果、サハリン北東部には、豊富な『原油』と『天然ガス』が埋
蔵されている事を発見。その埋蔵量は"極東最大級"と言われる。

 その上、日本、韓国、中国という巨大マーケットに隣接した立地条件から、
各国の企業から注目を浴び、開発が進められている。

 この"開発プロジェクト"は「サハリン1」「サハリン2」と呼ばれ、ロシア
連邦の極東・サハリン州北東部沖で、1994年から始められた8つの開発計
画の内の2つである。

「サハリン1」は、サハリン州北東部チャイボ湾から、ロシアまでパイプライン
で、原油を輸送する計画。絡んでいる企業は、エクソン・モービル社が中心に
なり、これに「日本石油公団」や「伊藤忠」も出資(エクソン・ネフテガス社)。

「サハリン2」は、サハリン州北東部ピルトゥン湾から、サハリンを縦断する
パイプラインを建設して、原油と天然ガスを先ず南部の港まで運ぶ。そこから、
タンカーで、日本(首都圏)に輸送する計画。

*この前、東京でも地下の「天然ガス」が原因となる爆発があったが、これに
 対しては、埋蔵量は多いようだが、"質的"に実用化は難しいようだ。
 絡んでいる会社は、ロイヤル・ダッチ・シェル、三井物産、三菱商事の3社
で、これらが「サハリン・エナジー社」という出資会社を運営している。

       「これら"開発プロジェクト"の目的は?」

 実は・・・ほとんどが、エネルギー資源に乏しい「日本」のためなのである。

 これ以外にも、グループである日本企業も多数出資しているが、それは、日
本のガス・電力会社を中心に、購入をする大部分が「日本企業」だからです。

『環境問題』などが、浮上して来て、世論を鑑み、最近になって、購入に消極
的な発言をしている日本企業もあります。

 しかし、一度、大企業が腰を上げた"開発プロジェクト"を止めるはずもなく、
「サハリン・エナジー社」からは再び、国際協力銀行(紛らわしい名前だが、
日本の組織)に追加融資の依頼があったとの事だ。

  「この企業のエゴ、日本のエゴの陰に、大問題が山積されていた」

それは・・・


【人+エネルギーが"自然環境"を駆逐する日!?】

 建前的には、このような大規模な"開発プロジェクト"が認可されるには、「
開発予定地に棲息する貴重な生物の生息状況」「開発行為が、その生物を含め
た環境に与える影響」等についての"ある評価"が必要である。

              それが…↓

『環境影響評価』・・・EIA(Enviroment Impact Assessment)と呼ばれる。
 当然、今回のサハリン大規模開発においても、「サハリン・エナジー社」
「エクソン・ネフテガス社」が、EIAを実施して、報告書を出している。

     「だが、その報告自体が"虚偽"である可能性が高い」

 その根拠は、「オオワシの繁殖ペア」のデータに見て取れます。
 まず、この「オオワシ」から説明しましょう。
───────────────────────────────────
○国(日本)の天然記念物。世界で4,000羽ほどしか生息していない。
 既に、国際自然保護連合レッドブックの"絶滅危惧種"に指定されている。

○全長 1m 翼長 2.5m ほどにもなる大型の海ワシ。5年程で成鳥に。

○繁殖地…サハリン州、カムチャッカ半島、沿海州、マガダンなどロシア連邦
             (日本では、繁殖しない)

○越冬地…日本(主に、北海道北東部)冬になると渡ってくる"冬鳥"
     オホーツク海では、9月末ぐらいに飛来し、流氷の南下と共に数が
     増える。そして、2月にピークを迎え、3月流氷と共に去る。
     サハリン州北東部で発信器を装着したワシの約80%が、冬期の北
     海道で確認されている。

○エサ…魚、水鳥、アザラシの子、スケソウダラ漁の行われている所では、そ
    の"おこぼれ"をかすめ取っていく事も。最近では、学習効果からか、
    ハンターの置いていった"エゾシカ"の肉を食べる事もある(これが新
    たな問題を・・・)。
───────────────────────────────────
これらの事を踏まえて、

        「"虚偽"データを明かして行きましょう!」

[ピルトゥン湾およびチャイボ湾の繁殖ペア数]
───────────────────────────────────
『開発予定のある2つの湾(当時)』
───────────────────────────────────
●EIA…ピルトゥン湾 5ペア/ チャイボ湾 5ペア

○研究者…ピルトゥン湾 12〜14ペア(2.4〜2.8倍)
     チャイボ湾  27〜30ペア(5.4〜6.0倍)
───────────────────────────────────
『開発予定のない2つの湾(当時)』
───────────────────────────────────
●EIA…予定のない湾1 15〜18ペア 
     予定のない湾2 20〜22ペア

○研究者…予定のない湾1 8〜10ペア
     予定のない湾2 9〜14ペア
───────────────────────────────────
(*研究者とは、この問題の第一人者で真摯に取り組まれている(社)北海道野
 生生物保護公社の主任研究員で獣医師でもある斉藤慶輔氏とモスクワ大学の
 共同調査です)
───────────────────────────────────
●明らかに、『開発予定がある、ない』で数字が不自然になっています。しか
 も、「サハリン・エナジー社」にEIAを委託された当事者である環境アセ
 スメントの調査者自身が、"提出したデータと異なる"と発言している(その
 後、巨額な金を掴まされて、口をつぐんだか…?)。

 この件に対して・・・当然、サハリン・エナジー社は

               「データに手を加えた事はない」と主張

 だが、最初に「開発ありき」で、データを改ざんした事は、間違いないと思
われる。この"企業のエゴや一部の利益を優先"を前面にむき出したゴリ押し行
為は、地球環境に対する許されざる「重大な反逆行為」だと断言する。

 しかし、「問題」はこんなものではなかった・・・


【"ゴリ押し"の果てに得られるものは何なんだ!】

 "ゴリ押し"の果てに、開発プロジェクトを推し進めた『歪みや問題』が様々
なところに存在している。それらを箇条書き(順不同)で書き殴りたい。
───────────────────────────────────
01.開発エリアには、オオワシの他に、絶滅が危惧されている「コククジラ」
   が生息、鳥類では「ヘラシギ」「カワフトアオアシシギ」「シマフクロ
   ウ」などの希少種も繁殖しているため、絶滅や生態系の変化が危惧される。

02.サハリンを縦断する「パイプライン建設」や「新たな掘削やぐらの建設」
   も、多大に、野生生物に影響を与える。また、パイプラインでの"流出事
   故"が懸念される。これにより、オホーツク海に「黒い流氷」が…。

03.サハリン2「サハリン・エナジー社」が、2003年秋から2004年
   一杯まで、プラント建設に伴い、大量のしゅんせつ土砂を、サハリン南
   部のアニワ湾に海中投棄。サケやオオズワイガニなど多様な魚介類の産
   卵、成育海域に甚大な被害を示唆される。

04.1999年6月、サハリン州北東部のピルトン湾で、約1,000トン
   にも及ぶ「ニシンの大量死」。ここは、サハリン2の掘削基地"モリク
   パック"から約16km。

   当初は、大量のニシンが一気に入り込んだ事による「酸欠による自然死」
   とされたが、死んだニシンからは、石油掘削で排出される汚泥に含まれ
   るバリウムの他、通常ニシンの20倍の銅、100倍の鉛、3倍のカド
   ミウムが検出される。

   1999年9月28日には、同じ場所で「原油流出事故」が起きている。
   たまたま、小規模で終わったが、緊急連絡体制の不備が露呈。

05.サハリンの住民「石油のにおいが、プンプンする魚がたくさんいる」

06.市民団体は「経費削減のために、企業は、ロシアの自然と住民の健康を
   犠牲にしていると訴えている(冬に、住宅への暖房や水の供給が止まる事
   が何度もある)。漁業補償なども、ほとんどない。

07.サハリン州北東沿岸では「タラの漁獲量」が激減

08.この開発プロジェクトの投資会社は、ロシア地方政府への税金も免除さ
   れている(それにも拘らず、住民に迷惑かぁ!)。

09.自然災害(特に地震)の対応策の不備

         「オオワシでも、他の案件が存在!」

10.上記のように、学習によって、ハンターの置いていった「エゾシカの肉」
   を食べるようになった事が、その体内にあった鉛弾による"鉛中毒"によ
   り、死に至るケースが多く見受けられるようになった。

11.「サハリン1」において

   ●パイプライン建設ルート上に、繁殖中のオオワシの巣を発見

   ●チャイボ湾に、建設中の橋から、約200mに位置する繁殖中のオオ
    ワシの巣を確認

12.「サハリン2」において
   ●環境影響調査書(EIA)と相違するオオワシの営巣木を確認

13.11、12などの調査の結果、サハリン州北東部の湾周辺には「約80
   ペア・200個以上の巣」が発見されている。

   繁殖に関与していない成鳥、亜成鳥、幼鳥を含めると、少なく見積もっ
   ても → 250羽以上のオオワシが生息

   「サハリン1」「サハリン2」の開発の中心であるチャイボ湾
                           ↓
                        約30ペアが生息
                      (亜成鳥、幼鳥も数多い)

14.大規模な森林伐採や湿原の破壊。道路拡張によって、雨が降ると留まる
   ところがなくなり、大量の泥水(危険な成分を含んだ)が、森林や湿原に
   流れ込んでしまう。

15.騒音、夜間の照明、人や車両の立ち入りによる「繁殖障害」

16.先住民族の伝統的生活の破壊(トナカイ飼育)

17.サハリン南部の港から、タンカーで原油や天然ガスを輸送するため、重
   油流出事故の発生が懸念されている。北海道の宗谷海峡には、タンカー
   がひしめき、その海域が危険視されている。

───────────────────────────────────
   「これらが直接関係するかは分からないが、最近では・・・ 」
───────────────────────────────────
[北海道 根室管内 羅臼発]

◆「シャチ」12頭が流氷に挟まれ、身動きが取れなくなり、11頭が死亡。

◆「エゾシカ」の親子が、流氷に乗り、流されてしまった。

[北海道 釧路管内 厚岸発]

◆「オジロワシ」が、トラバサミに挟まれて、死んでいるのを、エゾシカ猟の
 ハンターが発見
───────────────────────────────────


「開発によるもの? 定かではないが、
 
  自然環境や動物達がおかしくなっているのは、紛れもない事実であろう」


 事実、"国連のミレニアム生態系アセスメント(地球の健康診断)"の担当者が、
         次のように、重大な事を発言している。

   『地球の病気は、かなり深刻で、このままでは危篤状態に陥る』

 確かに「人類のエネルギー問題」も、最重要課題の一つだとは思うが、人類
の英知を結集して何とかそれは解決の方向に持って行けると考える。

 だが、一度、壊れた「自然環境や動物達」はもう戻って来ないのだ。


「どちらに優先順位があるかは、元来が動物である人類には理解出来ると思う」


 このメールマガジンを書いている間に、こんな記事が…

                       [アラスカに東芝製原発]


*(このコラムは"有料メールマガジン"のsample版を加筆修正したモノです)


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