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新型インフルエンザを、
特効薬と言われる"タミフル"から読み解く2



 色々なところで「新型インフルエンザ」の話題を取り上げているようです。
しかし、制約のある短い時間の中では、中々本質までたどり着くのは難しい…。

  先週読み逃した方に→ http://www.unlimit517.co.jp/ana74.htm


【"タミフル"の原料と数字】

    「"タミフル"って、一体、何から出来ているんだろう?」

 先週、そういう疑問を感じませんでしたか。確かに、成分名には"リン酸オセ
ルタミビル"という名称がありました。ただ、それがどこから、抽出されたのか
は、書いていませんでした。

 実は・・・

 このタミフルの原料 = あの "八角" なのだ。"八角"は「トウシキミと
呼ばれる木の果実」である。その名の通り、八つの角があるスター星形をして
いる。中の扁平な種子を、香辛料として使う。

 *"八角"(トウシキミ)の別名

   …ダイウィキョウ、八角ウィキョウ、スターアニス など有り

 豚肉や川魚の生臭さを消す独特の香りを持ち、中華料理に欠かせない香辛料
"五香粉"の一味にもなっている。その他に、胃腸の働きを活発にし、新陳代謝
を高める効果があるので、漢方薬としても、用いられる。

 しかし・・・

 現時点では、この"八角"自体に、「抗ウィルス作用」は認められていない。
あくまでも、この"八角"から抽出したシキミ酸を原料とした"タミフル"にのみ
「抗ウィルス作用」が、確認されている。

 先週号にも書いたが、この"タミフル"を世界で唯一製造しているのが、製薬
会社ロシュ(スイス・バーゼル)社であり、2016年まで、製造特許がある。

 ロシュ社の"タミフル"製造能力は・・・

  2005年=5,500万人分 →2006年=1億5,000万人分 →2007年=3億人分

                    と、増強されて行く予定である。

 その一方で・・・
───────────────────────────────────
 2001年の販売以来、世界80ヵ国 = 3,300万人 服用

         内 2,450万人 = 日本人(74.2%)

         内   650万人 = 米国人(19.7%)
───────────────────────────────────
   ということは、日本人+米国人で、世界の93.9% も占めている。
───────────────────────────────────

  「"インフルエンザ"に罹ったからといって、こんなに薬に頼るのは…」


【添付文書に"危険"がタップリ】

 "何故、薬に頼るのが危ないのか?"その答えが、実は、中外製薬が、日本で
販売している"タミフル"のカプセル・ドライシロップの「添付文書」の中に、
見られる。

 先ず、「使用上の注意」の3項目めに・・・
───────────────────────────────────
 カプセル剤の承認時までの調査 309例 
───────────────────────────────────
  副作用= 85例(27.5%)認められた。

  [主な副作用]
    
  腹痛21件(6.8%)下痢17件(5.5%)吐気12件(3.9%)
───────────────────────────────────
【拓コメント】

  実は、上の記述には、少しおかしいところがある。

  先ず、[主な副作用]のところで、副作用だけが挙げられているのに
  「%の分母が"全体例"になっている」ことである。

  通常ならば・・・
───────────────────────────────────
  腹痛 21件/85例 = 24.7%

  下痢 17件/85例 = 20.0%

  吐気 12件/85例 = 14.1%   と書くべきではないか。
───────────────────────────────────
 上記が、薬品業界では、「普通の書き方」だとすれば、"副作用"を非常に軽
 んじていると言わざろう得ない。数字を小さくすることによって、"副作用"
 の影響そのものが、小さく感じられるようにするための『数字のトリック』
 としか、考えようがない。

 あくまでも、問題になっているのは、"副作用"なのだから、その範囲で数字
 をきちんと構築すべきである。こういう書き方は、実に、姑息である。

 その上、"副作用"は 85例 となっているが、「副作用頻度表」という資
 料により確認すると、これはあくまでも"副作用発現症例数"である。実際、
 "副作用の発現件数"は 135例(約1.6倍) となっている。

 つまり、135例/309例 → 43.7% "副作用発現率" になる。
───────────────────────────────────
 ドライシロップ剤(1〜12歳の幼・小児)の承認時までの調査 70例
───────────────────────────────────
  副作用= 35例(50%)
 
  [主な副作用]

  嘔吐17件(24.3%)下痢14件(20.0%) 
───────────────────────────────────
【拓コメント】

 ここにも、上記のように『数字のトリック』がある。

  嘔吐17件/35例(48.6%)下痢14件/35例(40.0%)

                          とこれも書くべき。

 だが・・・

 それ以上に、「50%に副作用アリ」という事実が恐ろしい。

 しかも・・・

 再び「副作用頻度表」を見てみると、"副作用の発現件数"は45例(1.29倍)

 つまり、45例/70例 → 64.3% まで跳ね上がってしまう。

 ドライシロップは、カプセルでは服用することが難しい"幼・小児向け"の製
 品である。それだけに、この調査結果を受けて、承認をした厚労省は何を考
 えていたのだろう?

 先ず、「インフルエンザ=特効薬タミフル」という前提があり、承認したと
 しか考えようがない。いくら効く薬は"副作用が強い"という観念があるとし
 ても、チョッと許せない無責任さである。
───────────────────────────────────

 もう、一つ・・・"重大な副作用"に関する記述
───────────────────────────────────
 添付文書には、これについて、次のように記されている(簡略+補足アリ)
───────────────────────────────────
1.ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
───────────────────────────────────
2.肺炎(頻度不明)
───────────────────────────────────
3.肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
───────────────────────────────────
 カプセル= ALT(GPT)上昇 5件 AST(GOT)上昇 2件 γ-GTP上昇 4件

 ドライシロップ=ALT(GPT)上昇 4件 AST(GOT)上昇 3件

           →計 カプセル11件+ドライシロップ7件=18件

              *承認時までの調査段階「副作用頻度表」より
───────────────────────────────────
4.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症
  候群)(頻度不明)
───────────────────────────────────
5.急性腎不全(頻度不明)
───────────────────────────────────
 カプセル= Al-P上昇 4件 血中ブドウ糖増加 4件 糖尿陽性 1件
       血中ブドウ糖減少 1件 糖尿病憎悪 1件
       血中尿酸増加 1件 血中尿酸減少 1件

       アルブミン尿陽性 5件 尿蛋白 1件 尿蛋白陽性 1件

                         →計 カプセル20件

              *承認時までの調査段階「副作用頻度表」より
───────────────────────────────────
6.白血球減少、血小板減少(頻度不明)
───────────────────────────────────
  カプセル= 好酸球増加 5件 白血球減少 2件 好中球減少 1件
        リンパ球増加 1件

        ヘマトクリット減少 1件 ヘモグロビン減少 1件
        赤血球減少 1件

                         →計 カプセル12件

              *承認時までの調査段階「副作用頻度表」より
───────────────────────────────────
7.精神・神経症状(頻度不明)
───────────────────────────────────
  精神・神経症状(意識障害、異常行動、せん妄、幻覚、妄想、けいれん等)
  が現れることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、観
  察を十分に行ない、症状に応じて、適切な処置を行うこと。
  
  *"せん妄"とは、錯覚や幻覚が多く、軽度の意識障害を伴う状態。

  *最近、"副作用によるモノではないか"と推測される重大な死亡例は、
   この項目に起因するものである(詳細は来週)。
───────────────────────────────────
   カプセル= 頭痛 4件 めまい 2件 耳鳴り 1件 
         味覚障害 1件 不眠症 2件 傾眠 1件 惰眠 1件

                         →計 カプセル12件
───────────────────────────────────
8.出血性大腸炎(頻度不明)
───────────────────────────────────

 "添付書類"というごく基本的な資料を見ても、これだけの「副作用情報」が
浮かび上がってくる。こんな中で、私達は『新型インフルエンザ』というまだ
見えない敵に対して、この薬="タミフル"に全てを託して良いのだろうか?


 「調べれば、調べるほど、そんな疑問が頭をもたげる今日この頃です」


  *来週は、"副作用"の重大事例を中心に、取り上げたいと思います。
        http://www.unlimit517.co.jp/ana76.htm


    **ホントにどうしよう・・・ http://tinyurl.com/9l7dr


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