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特効薬と言われる"タミフル"から読み解く4 今週は、総まとめとして、"タミフル"を取り巻く環境を、読み解いて行きた い。日本や世界の流れ、"タミフル"以外の薬、検査体制などを中心に据えたい。 先週、読み逃した方に→ http://www.unlimit517.co.jp/ana76.htm 【日本や世界における"対策"の流れ】 11月18〜19日、韓国の釜山で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協 力会議首脳会議)。ここにおいて、「大流行が懸念される鳥インフルエンザと 新型インフルエンザ対策の国際協調を軸とする」首脳宣言が、採択された。 その骨子は・・・ ─────────────────────────────────── ●2006年11月までに、「鳥インフルエンザ流行計画」を策定。 ●監視・早期発見の体制強化やワクチン、抗ウィルス剤の開発・製造の 体制構築を支援。 ●2006年初めに、シミュレーション(机上訓練)を実施する。 ─────────────────────────────────── この席上、小泉首相は・・・ 世界保健機構(WHO)などへの計280万ドル(約3億3千万円)の財政支援 など、日本独自の支援策を、表明した。 これを受けて、日本国内では・・・ ─────────────────────────────────── [厚労省関連] ─────────────────────────────────── ●新型インフルエンザ対策費 92億円 ●感染症対策費 112億円 ・国立感染症研究所のワクチン製造・研究施設建設費 21億円 ・吸入式の抗ウィルス薬『リレンザ』の購入費 9億円 *ワクチン施設は、2007年度に、完成する予定 *"タミフル"の購入費は、予算計上されていない。 何故か?・・・ この事について、財務省は「流通量を考慮し、都道府県に購入してもらう 年にするため」としている。 しかし・・・ この事が、"大問題"になっている。都道府県による管内人口の8.3%。 これを、"タミフル"の備蓄目標に、定めている。政府と都道府県の行動計画 では、1,500万人分、440億円かかる予定になっている。 私の住んでいる北海道などは、最たるものだが、もう少しで、"赤字団体"に 転落してしまうほど、財政が逼迫している。一括で購入するのは、先ず無理。 メーカーが、分割を受け入れてくれたとしても、かなり厳しい状況だ。 また・・・ 一括で購入した場合の"在庫管理"。「返品は、受け付けてくれるのか?」 「期限切れの"タミフル"は引き取ってもらえるの?」あくまでも、"備える" ということなので、「患者があまりでなかったら、どうするのか?」など、 財政上の問題と共に、難しい問題が、多数内在している。 ─────────────────────────────────── [農水省関連] ─────────────────────────────────── ●鳥インフルエンザを含む家畜伝染病予防費 37億1千万円(2005年度より、17億8千万円アップ) ・鶏の処分費用や養鶏場の手当金に、充てる。 ─────────────────────────────────── 「ところで、何か"耳慣れない薬品名"が、ないだろうか?」 【『リレンザ』って何??】 "タミフル"より2年前(1999年2月)に、販売されたインフルエンザ・ウ ィルスに対する『世界初のNA(ノイラミニダーゼ)阻害剤』である。"タミフ ル"同様、A型、B型インフルエンザ感染症に、有効であるとされる。 日本では、2000年12月から、発売開始。 ─────────────────────────────────── ★ 成分は、「ザナミビル水和物」。 ★ 専用の吸入器(ディスクへラー)を使ったドライパウダー経口吸入剤。 ★ 販売は、英国に本社があるGSK(グラクソ・スミスクライン社) 日本法人アリ。 ★ 2001年2月、薬科収載になっています。 これは、"タミフル"の販売開始と同時。"タミフル"は即薬科収載です。 ★『薬科収載=健康保険が利く』ということです(一部適応外もあり)。 ★ 効果は、発症後、2日以内に、速やかに用いないと確実ではない。 また、予防に効果があるかどうかも、分かっていない。 ─────────────────────────────────── 作られた経緯・・・ ─────────────────────────────────── [1983年] インフルエンザ・ウィルスのNA(ノイラミニダーゼ)の結晶化が完成。 CG(コンピュータ・グラフィックス)によるNA阻害剤が理論的に商品設計 [1993年] 商品設計したオーストラリアのバイオタ・ホールディングスと提携。 そのグラクソ・スミスクライン社によって、ザナミビル水溶液(リレンザ)が、 合成・開発された。 ─────────────────────────────────── 上記の通り、厚労省は、この薬に対して、9億円の予算立てをした。"タミ フル"が、現在、世界中で、奪い合いになっているという状況も、勘案してい るものと思う。 それ以上に・・・ 新型インフルエンザに効果がありそうな「NA(ノイラミニダーゼ)阻害剤」 が、"タミフル"を除いては、この『ザナミビル水溶液(リレンザ)』しかないと いう事に、起因しているのだろう。 【"検査キット"は北海道から】 実は・・・ 北海道の北、富良野市にほど近い赤平市の自動車部品工場が、 今、非常に、忙しいのである。 「何で、インフルエンザの記事に、自動車部品が関係あるの?」 そう思われるのも、当然ですね。種明かしをします。 その工場の名は・・・ ─────────────────────────────────── 『トルク精密工業』=従来は、自動車やスーツケースなどの金属、プラスチ ック部品の製造を手がけるごく普通の工場だった。 しかし、近年、「医療関連」にも力を入れ、2000 年に『インフルエンザの検査キット用容器』を開発し、 特許を取得。 翌年、8,000万円を投じて、生産ラインを新設。 ─────────────────────────────────── "検査キット"=長さ9.3センチ、幅1.5センチのプラスチック製。 ─────────────────────────────────── [使い方] のどや鼻の粘膜を、綿棒で採取 ↓ 検査溶液に入れる ↓ キットの中央部分の穴に、液体を載せる ↓ 内部の検査薬と反応させる ↓ 10〜15分で、判定が出来る ・インフルエンザに罹っているか? ・「A型」か?「B型」か? ─────────────────────────────────── 上記の図のような「操作の容易さ」が、評価され、臨床検査薬大手の富士レ ビオ(東京)を通して、多くの医療機関で、使用され、国内のシェアは、約25 %で、堂々のトップを、占めています。 生産は、毎年、インフルエンザが流行する10月〜翌年3月に集中。 今が、ピーク。今年は、更に、"新型インフルエンザ騒動"を受け、前年同月 の120万個から、20万個増の140万個と増産。24時間体制で、工場 は、フル稼働状態。 高橋社長の話によると・・・ 「従業員10人が交代で、勤務しているが、 それでも、生産が追い付かない状況」との事だ。 今回は、少し、「"タミフル"から」読み解くというところからは、離れたか も知れない。しかし、"タミフル"や新型インフルエンザ対策の現状は、分かっ ていただけたと思う。 "一番効果的"なインフルエンザ対策は・・・ 前号の最後でも、書きましたが、先ずは『健康の管理』です。そのためには、 「にんにく」「キャベツ」「カロチノイド類(にんじんなどの緑黄色野菜)」 「ビタミンC」「ビタミンE」など、"インフルエンザ対策に有用だ"と言われ ているものを、食事に取り入れ、バランス良く摂取するようにしましょう。 何れの食品も、「免疫力強化作用」が働くものばかりです。それから、師走 なので、少し難しいかも知れませんが、過労を防いで、体力を温存することに よって、「自己免疫力」をキープしておきましょう。 これだけ、4回に渡り、読み解いて来ましたが・・・ 「なるべくなら、"タミフル"や"リレンザ"のお世話にはならないように…」 **予言は的中した・・・ http://tinyurl.com/aco96
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