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発がんを促進させる「アガリクス」 2005年の健康食品市場規模は、推計で約1兆3千億円。その内、アガリ クス市場は、約350億円位と言われている。抗がんじゃなく、発がん促進? 【健康食品における"アガリクス"とは?】 実は、日本国内における「健康食品」の定義は、あいまいである。 例えば・・・ ─────────────────────────────────── 国立健康・栄養研究所の見解 ─────────────────────────────────── 一般に「健康によい」として、売られている食品全般が該当し、明確な定義 はありません。国民生活センターでは「消費者が健康によいと積極的な効果 を期待して、摂取する医薬品以外の食品」としています。 健康食品には、動物や植物から抽出された「健康機能がある」といわれてい る成分を原料にしている健康補助食品的なものが多く、その他、通常の食品 の形態を持つ物として、自然食品、有機栽培食品なども、含まれます。 ─────────────────────────────────── インターネットを通じた健康食品の「個人輸入」も急増しており、行政とし て、国内で承認されていない成分を含んでいたり、誇大な効果をうたったりす る製品の流入を阻止出来ない状態にあるという。 しかも、1兆円を超える巨大市場にもかかわらず、行政に携わるある人間は、 次のように、非常に、無責任なコメントをしている。 「利用者自身で身を守ってもらうしかない。しかし、健康被害によっては、 手遅れになる恐れがあり、健康食品に関する、更なる、啓発が必要」 危険を察知していながら、"個人の責任"と、突き放している。 総務省が発表した2005年の家計調査によると、健康食品の1ヵ月あたり の消費支出は、前年より15%増の1,429円。あくまでも、平均の金額な ので、中には、1万円以上買っている人も、多く存在する。 それでは・・・ 今回、問題となった「アガリクス」とはどのようなものでしょう? ─────────────────────────────────── 学名/アガリクス・ブラゼイ・ムリル、和名/ヒメマツタケ、俗名/カワリ ハラタケ、アガリクス。地面から生え、柄が長くて太く、香りが強いハラタ ケ科のキノコの一種。 1965(昭和40)年に、ブラジルで、日本人が、初めて栽培に成功。元々 は、ブラジルのピエデータ地方特産のキノコです。その成分が注目され、日 本でも、人口栽培されるようになった。 成分は、他のキノコと比べて、粗タンパク質が43%と多い、多糖類、ビタ ミンB2、ビタミンD、マグネシウム、カリウム、リノール酸、リン脂質な どが含まれています。 キノコ特有の成分である高分子多糖体"β−グルカン"の含有量が多いのも、 特徴である。 この"β−グルカン"が、免疫力を上げ、「抗がん効果」があると、言われて いる(免疫力アップの作用機序については、下記"無料レポート"にて)。 しかし、ヒトに関する「有効性」「安全性」について、参考になるような充 分なデータは、今のところ、見当たらない。 ─────────────────────────────────── がんへの効果うたうものを「抗がんサプリメント」と呼んでいるらしい。 東北大大学院医学系研究科の濃沼教授らが、昨年、がん患者約3,600人 にアンケートしたところ、6割強が、健康食品、民間療法を使い、平均で、年 20万円あまりを支出していた。 それでは・・・ 「今回、どんな試験から、"発がんを促進する作用"が分かったのでしょう?」 【暴かれた"発がん促進"】 2003年9月 厚労省は、国立医薬品食品衛生研究所に依頼し、3社の製 品の「遺伝毒性試験」を実施した。 3社とは・・・ ─────────────────────────────────── 1.キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(販売者:キリンウェルフーズ) キノコ全体を乾燥させて、粉末化し、顆粒状にしたもの 2.仙生露顆粒ゴールド(販売者:サンドリー → S・S・I) 栄養補助成分を添加した形態 3.アガリクスK2ABPC(販売者:サンヘルス) 菌糸体培養物を顆粒にしたもの ─────────────────────────────────── この3製品を選んだ理由 ─────────────────────────────────── 厚労省の見解は、アガリクスを含む各種製品の中で、 ● 広域流通しているもの ● 一定期間、継続的に、市場に流通しているものの内、製造方法が、異な るもの を選定したとのこと。 *「健康被害報告等」を基準にして、選択してはいないとの事。 *アガリクス製品には、上記のように、「乾燥物を、粉末、顆粒、錠剤等の 形状にした製品」「菌糸の状態で培養したものを、粉末、顆粒、錠剤等の 形状にした製品」などが、広く販売されている。 ─────────────────────────────────── この「遺伝毒性試験」を行った背景に、確かに、現在までは、アガリクスを 含む製品による健康被害が明らかになった事例の報告はない。だが、「肝障害 の疑い」等の事例が、報道されたことや、肺炎や肝障害等の複数の事例が、学 術雑誌等に、掲載されたことがあります。 ─────────────────────────────────── 今回行われた「遺伝毒性試験」 ─────────────────────────────────── 遺伝毒性とは、遺伝子、または、DNAに変化を与え、細胞、または、個体 に、悪影響をもたらす性質。 この遺伝毒性を検索するための試験として、細菌を用いた「復帰突然変異試 験」、哺乳類培養細胞を用いた「染色体異常試験」、ラットを用いた「小核 試験」などがあります。 今回行った試験は・・・ 5週齢の雄ラットに、*「発がんイニシエーター」を投与した後、"キリン 細胞壁破砕アガリクス顆粒"を、0、0.5、1.5、及び、5.0%濃度 で、24週間、えさに混ぜて投与した群と、*「イニシエーター」を投与せ ず、当該製品を、0、及び、0.5濃度で、えさに混ぜて投与した群を用い て、「発がんプロモーション作用の有無」を、確認。 結果・・・ 当該製品を投与した「イニシエーション処置群」では、腎臓、甲状腺などに 『腫瘍性の病変(がん)の増加』が認められ、当該製品に、ラットに対する「 発がんプロモーション作用」が認められた。 *「発がんプロモーション(作用)」 それ自身が、発がんを引き起こすものではなく、「他の発がん物質によ る発がん作用を促進する作用」のこと。 プロモーションがある物質を「プロモーター」という。 *「イニシエーター」 発がんの過程には、いくつかのステップが存在する。それは、多段階的 に進行していると考えられている。 その最初のステップのことを「イニシエーション」という。化学物質や 放射線などによって、引き起こされたDNA損傷が修復されず、突然変 異として、遺伝子に固定され、腫瘍(がん)発生に関与する遺伝子に、機 能異常をもたらす過程を、指している。 イニシエーションを起こす物質が「イニシエーター」である。 ─────────────────────────────────── "キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒"のプロファイルは以下である。 ─────────────────────────────────── ●内容量 150g(2.5g×60袋) ●栄養成分表 2袋(1日分・5g)あたり 熱量 18.1Kcal タンパク質 1.95g 脂質 0.14g 炭水化物 2.25g ナトリウム 0.22mg ●内容成分表 2袋(1日分・5g)あたり 細胞壁破砕アガリクス末 5g(うち、多糖体β−グルカン 480mg) *今回の試験で、ラットに対する「発がんプロモーション作用」が認められ た量を、人間の量に換算すると、1.5%濃度で、約28〜57.5g、 5.0%濃度で、約91〜186gに当たる。 ─────────────────────────────────── 実は・・・ 引き続き、「遺伝毒性試験」は、陰性だった上記2製品について「別の試験」 を用いて、調べている。 「別の試験」=「中期多臓器発がん性試験」 ─────────────────────────────────── 生体に、悪性腫瘍を発生させる能力である「発がんプロモーション作用」を、 確認する試験の一つ。げっ歯類(ネズミ等)を用いた"二段階発がん試験"の一 つで、最大5種類の「イニシエーター」を投与して、発がんの感受性を高め、 次いで、被験物質(2製品)を、数ヶ月間投与する試験。 ─────────────────────────────────── 現在までのところ、2製品とも、「腫瘍病変(がん)の増加」は、確認されて いません。最終結果が出次第、厚労省は、食品安全委員会に報告するとともに、 公表するそうです。 【"販売を停止"した商品】 平成18年2月13日で、販売中止、自主回収したのは4製品。 ─────────────────────────────────── ● キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(試験に使われた製品) ● キリン細胞壁破砕アガリクス(400粒) ● キリン細胞壁破砕アガリクス(700粒) ● 純粋アガリクス ─────────────────────────────────── 販売会社のキリンウェルフーズは、キリンビール100%出資の子会社。 同社の調べによると・・・ ─────────────────────────────────── 顆粒は、2002年7月から、56,000箱 錠剤は、1999年から、370,000箱 2005年には、計55,000箱、出荷されている。 ─────────────────────────────────── もし、心当たりがおありの方は、見直してみて下さい。 ▼お問い合わせ http://www.kirin-wellfoods.co.jp/company/agaricus_h.html 「"アガリクス"をもっと知りたい方は、 是非、下記、"無料レポート"をお読み下さい」 **これくらいしか・・・ http://tinyurl.com/fw7vr
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