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毒舌!医療と生物をやさしく読み解く入門

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「毒舌!医療と生物を
やさしく読み解く入門」


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「食品に関する
リスクコミュニケーション」って、
何だ?出てみよう!



 見出しのように思い立ち、出席してみました。役人達は、本当に、BSEに
対して、及び腰なのか?消費者や関係者の意見はどうなんだ?聞いてきました。


【"食品リスク"公聴会の意味とは?】

 4月12日(水)14:00〜16:30、札幌の北海道自治労会館において、
この公聴会が開催された。沖縄に続き、全国で2番目とのこと。この後、全国
7都市でも、開かれるらしい。当日は、報道陣も含め、約200名集まった。

 ところで・・・

「食品に関するリスクコミュニケーション」って、何だって?思いますよね。
実は、今回の副題には、「米国産牛肉輸入問題に関する意見交換会」となって
いました。つまり、「BSE問題について、担当役人に聞く」という事です。

 役所側の説明によると・・・

「リスクコミュニケーション」とは、関係者が、情報を共有した上で、それぞ
れの立場から意見を出し合い、お互いが共に考える土壌を築き上げ、その中で、
関係者間の信頼関係を醸成し、社会的な合意形成の道筋を探るものだそうです。

 この基本には、2003(平成15)年に始まった「新しい食品安全行政」が、
あるみたいです。この中に、国民の健康の保護を図るため、事故の後始末では
なく、可能な範囲で、事故を未然に防ぎ、"リスク"を最小限にすることが重要
だという"リスク分析の考え方"が、あります。

ただ、役所らしい"ズルイ表記"があります・・・

「リスクコミュニケーション」は、必ずしも、個々の意見交換会で、何かを、
合意して決めるというものではありません。との事です。

 今回の件でも・・・
───────────────────────────────────
 1.米国産牛肉輸入問題とはどういうものなのか?
   関係者間で、情報を共有する事。

 2.様々な立場から、意見交換を行い、この問題についての認識を深める事。
───────────────────────────────────

 上記2点が、"目的"となっています。

「リスクコミュニケーション」を、やらないよりは、やった方が良いと、私も
思う。しかし、裏には、役人の"ズルイ考え"が、浮かび上がる。

 現在は、"情報公開"という風潮である。市民も"情報"に飢えている。このニ
ーズに応えているのが「リスクコミュニケーション」なのである。意見は聞く
けど、最終決断は、あくまでも"俺達(役人)"なんだよと言い知らしめている。

 おそらく穿った見方をすると、国民から、文句があった時に、「言い訳」に
使うのが、この「リスクコミュニケーション」の目的だと思われる。ちゃんと、
情報公開したじゃない、話も聞いたじゃないという事だ。


【"私"がした質問とは?】

 私は、質問したいことが、2項目あった。けれど、時間や人数、場の雰囲気、
役人の対応、質問形式などを考慮に入れ、"1項目"に絞った。

 質問に答えた役人は、次の4名である。
───────────────────────────────────
●食品委員会 リスクコミュニケーション官 西郷 正道

●農林水産省安全局 動物衛生課長 釘田 博文

●厚生労働省医薬食品局食品安全部 監視安全課BSE対策専門官 蟹江 誠

●厚生労働省大臣官房参事官 藤井 充(司会)
───────────────────────────────────
───────────────────────────────────
 2005(平成17)年12月13〜24日
─────────────────────────────────── 
 米国、および、カナダにおける「日本向け牛肉認定施設等の査察」が行われ
 た。担当官を派遣し、食肉処理施設(米国11施設、カナダ4施設)等の査察。

 しかし、驚くべき事は、「日本向け牛肉認定施設等」は、全部で"40施設"
 (米国のみ)あったのである。つまり、米国では1/3の施設も査察を行って
 いないことになる。

 その上、査察していない施設の中に、今回、再び、輸入禁止の原因となった
 「ゴールデン・ヴィール社(子牛と畜施設)」「アトランティック・ヴィール
 アンド・ラム社(子牛食肉加工施設)」が含まれていたのだ。

 *と畜とは、"食肉用に、家畜を殺すこと"。

 当時、報道されていたように、G社は、A社の子会社である。しかも、両方
 とも、日本向けの「子牛と畜施設」と「子牛食肉加工施設」としては、唯一
 のものであった。

   「それにも関わらず、両社とも、査察の対象から外されていた…」
───────────────────────────────────

 当然、私は、"この不可解な部分"を突くしかないと、直感していた。

 『質問をする医療再構築人・田畑』
  http://www.unlimit517.co.jp/2006412BSE.jpg
───────────────────────────────────
1.「米国とカナダで、と畜場、食肉加工施設を含めて、査察を行った時、
  1/3にも満たない施設だけを、査察して、帰ってきたのは、何故か?」
───────────────────────────────────
回答:農林水産省安全局 動物衛生課長 釘田 博文

  「突然、禁輸に至る問題が起こってしまった(1/20)。実は、3月末までに
   次の査察チームを派遣する予定をしていた」
───────────────────────────────────
2.「輸入解禁後に、査察を行ったのは、何故か?」
───────────────────────────────────
回答:農林水産省安全局 動物衛生課長 釘田 博文

  「確かに、会議でも色々な意見が出た。しかし、最終的に、日本向けの処
   理が始まった段階で、査察した方が、効果が高いと判断した」
───────────────────────────────────
3.「今後、再々輸入解禁となる場合、こういった査察には、いつ?誰が?
   どういう形で、行くことになるのか?」
───────────────────────────────────
回答:農林水産省安全局 動物衛生課長 釘田 博文

  「査察に関する具体的なことは、一切決っていない」
───────────────────────────────────

 実に、卒がない役人らしい答え方である。でも、本当に、「次の査察チーム」
を予定していたのだろうか?あのまま、何の問題も起きなければ、そんな予定
などなかったと、私は推測する。

 事が終わってしまった後では、何とでも言い訳出来る。釘田氏の説明を聞き
ながら、そんな意を、私は、尚更、強めた(ただ、釘田氏自身は、他の出席者
よりは、真摯に答えようという意志が感じられた)。

 私自身は、査察に関して、こう思う・・・

 先ず、全ての施設を輸入解禁前に、査察する。この時は、アメリカの検査官
に同行してもらい、「輸入プログラムに関する注意事項」などをきちんと打ち
合わせ、と畜場、食肉加工施設の責任者にも、目の前で確認を取ってもらう。

 輸入解禁後、もう一度、全施設の査察を行う。この時、施設責任者に「輸入
プログラムに関する注意事項」から、質問をしてみる。しっかり答えられるよ
うなら、良いが、あいまいな場合は、米政府から、カチッと指導をしてもらう。

 あくまでも、米国内の問題なので、日本が直接指導することは出来ない。従
って、「日本独自の抜き打ち検査(米担当官同行なら可能」は無理。ゆえに、
日本と、AMS(米農務省農業販売促進局)、FSIS(米農務省食品安全検査局)
の連携は、密にして、行かなければならない。

     「私は、以上のような"2段階の査察"を、提案します」


【"食品安全委員会"が気にかかる】

 私は、質問しようと思っていた1項目は、"食品安全委員会"に関係がありま
す。この中に、一度に、6人が退任した「プリオン専門調査会」も含まれます。

 この"食品安全委員会"とは、一体どういう事をしているのか?
───────────────────────────────────
 "食品安全委員会"は、食の安全に深い識見を有する7名の委員から、構成さ
 れ、内閣府に属します。その下に、専門調査会が、設置されています。

 専門委員会には、「企画専門調査会」「リスクコミュニケーション専門調査
 会」「緊急時対応専門調査会」に加え、添加物、農薬、微生物といった分野
 ごとに、13の専門調査会があります。
───────────────────────────────────
 [役割] 食品を摂取することによる健康への悪影響について、科学的知見に
     基づき、客観的、かつ、中立公正に、評価する。
───────────────────────────────────
 リスク評価(食品影響評価)
───────────────────────────────────
 ●食品に含まれる可能性のある有害な微生物、化学物質などが、人の健康に
  及ぼす影響を、科学的な目で、評価します。
 
  また、必要がある場合は、関係行政機関に、勧告などを行います。
───────────────────────────────────
 リスクコミュニケーションの実施
───────────────────────────────────
 ●消費者・食品関連事業者などの幅広い関係者との間で、常に、情報や意見
  の交換を、図ります。
───────────────────────────────────
 緊急事態への対応
───────────────────────────────────
 ●重大な食品事故などの緊急時において、事態を把握し、政府一体となった
  対応や国民への情報提供を、行います。
───────────────────────────────────

 ここに、再輸入に至った"食品安全委員会"の評価結果(結論)があります。
───────────────────────────────────
 ★ 米国・カナダに関するデータの質・量共に、不明な点が多いこと、管理
   措置の遵守を、前提に評価をせざるを得なかったことから、米国・カナ
   ダの「BSEのリスクの科学的同等性」を評価することは、困難と言わ
   ざろう得ない。

   他方、リスク管理機関から提示された輸出プログラム(全頭からのSRM
   除去、20ヶ月齢以下の牛等)が、遵守されるものと仮定した上で、米国・
   カナダの牛に由来する牛肉等と、我が国の全月齢の牛に由来する牛肉等
   のリスクレベルについて、そのリスクの差は、非常に、小さいと考えら
   れる。
───────────────────────────────────
【拓コメント】何か、前半の部分と後半の部分が、噛み合っていない。前半が、
       専門家の率直な声、後半が、役人が付け加えたものと考えると
       つじつまが合うような気がする。

       この結論から見ても、「科学的にリスクがほとんど証明されて
       いないにも拘わらず、輸入を断行したこと」が、見て取れる。

       関係機関によると、「プリオン専門調査会」の退任した6人は、
       任期や仕事の問題などで、辞めたと、説明している。更に、メ
       ディアの「慎重派6人辞任」「結論ありき」という報道を、無
       責任だと批判までしている。

       しかし、上の結論から見えるのは、『科学者の無念』。普通に
       捉えたら、そうではないだろうか?公平に見て、今回は、マス
       コミに、軍配が上がるだろう。

       私は言いたい。

       科学的に、客観的に「リスク評価(食品影響評価)」出来ないの
       ならば、"食品安全委員会"や専門調査会の存在意義など、ない
       のではないだろうか。

       これでは、「科学者」が可哀想である。
───────────────────────────────────

 こんな中・・・

 「1月20日、米国産牛肉は輸入停止になりました。

  だが、米国産牛肉は、まだ入ってきています。えっ〜〜!?

  カット肉、内臓(例えば、ひき肉や肉加工製品)は、"日本輸出プログラム"
  
      の対象外となるため、未だに、日本国内に流通しているのです」


  **こういう書き方もアリか・・・→ http://tinyurl.com/jyl45


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