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"PTSD2"具体的な対処法と治療の最前線とは? 1では、病気という側面から"PTSD"を捉えた。2では、困難な病気に立 ち向かう「対処法」と「治療」の側面から、この病気を読み解いて行きたい。 1."PTSD"とは一体何なんだ!? http://www.unlimit517.co.jp/ana326.htm 【"PTSD"であると診断されたら?】 1で、取り上げた診断基準により、「貴方はどうも"PTSD"の症状ですね」 と医者より、診断されたら、その後は、どう"対処"し、どういう風に"治療して 行く"のであろうか? ─────────────────────────────────── [1.対処法] ─────────────────────────────────── これは、どちらかというと、如何に「"PTSD"に罹る前にしていた生活に 戻すか」ということである。ある意味、当たり前のことを当たり前にする。患 者にとっては、その事が、一番難しい。 ─────────────────────────────────── ○自分に対するコントロール能力の回復・安全な環境(人間含む)整備 ─────────────────────────────────── ・充分な「休息」を取り、リラックスする。 ・「食事」と「睡眠」を適切に取る。 ・「カフェイン」および「ニコチン」、「アルコール」、「非処方薬」など に頼らないよう、絶対に回避する。 ・上記のことがどうしても出来ない場合、主治医に、薬の服用を含めて、相 談してみる(睡眠導入剤、栄養補給、不安パニック鎮静薬など)。 ・"リラックスする方法"を、会得する。あくまでも、自分に合った方法で。 ・心理的な混乱には、「行動療法」や「認知行動療法」(治療法の項目で説 明します)で対処する。 ・自分を「取り巻く人間」をちょっと確認してみる。もし、現在でも、自分 に暴力を振るったり、言葉で傷つけたりする人間がいたら、なるべく"安全 な距離を保つ"ようにする(または、家族が配慮する)。 ・また、自分を「取り巻く環境」も考えてみる。住んでいる所の安全、助け てくれる人、行政の相談機関など、いざというとき、"自分を守る術"を心 掛けておく(または、家族が配慮する)。 ─────────────────────────────────── [2.治療法] ─────────────────────────────────── 下記に挙げる「治療法」はそれぞれが別々にあるのではない。"PTSD"と いう病気の性格上、患者の性格や、罹った時の状況、現在の生活環境など様々 な事を考慮に入れ、主治医が組み合わせて、行くことになる。 ただ、いち早くこの病気に気付き、対処法や治療法に取り組んで来たアメリ カにおいても、"PTSD"の全容は解明されておらず、これからの研究による 追求や治療法の確立が、今後の課題とされています。 ─────────────────────────────────── ●心理的デブリーフィング(Psychological Debriefing) ─────────────────────────────────── "デブリーフィング"とは「情報を聞き出す」という意味です。トラウマ体験 の直後(数時間から数日以内)に、"トラウマ体験の後遺症予防"という目的で、 あるセッション(集まり)を持ち、ここで「自己の体験」を話し、聞いてもら うことです。 形は、個別セッションやグループセッションなど色々と考えられます。しか し、あくまでも、ここでは、患者としてではなく、「異常な体験をした正常 な人」として扱われます。 ─────────────────────────────────── ●精神生理学的治療(EMDR…Eye Movement Desensitization and Reprocessing) ─────────────────────────────────── 眼球運動と回想、情緒認識を組み合わせた治療法。眼球をリズミカルに動か すことで、感情の処理過程を促進、脳をレム睡眠状態にし、トラウマ体験に よる苦痛な感情を取り除き、癒し、正常な状態に戻していこう(*脱感作)と します。 *脱感作…この場合、トラウマによる苦痛な感情を、正常に戻すこと。 例えば、「左右に振られるカウンセラーの手や棒を見ながら、トラウマとな る出来事を思い出して行く」というような"催眠療法的な部分"もあります。 アメリカでは、「85%くらいの治癒率」があると言われています。 特に、「犯罪被害者」の"PTSD"患者に効果的である。 ─────────────────────────────────── ●行動療法 ─────────────────────────────────── 特に、パニック、恐怖心、アゴラフォビア(広場恐怖)のある"PTSD"患者 に有効的である。心理療法士などのカウンセラーが、患者一人一人の最終的な 目標を決め、計画通りに、ノルマをこなして行く中で、治療する。 ─────────────────────────────────── ・曝露療法…自分が経験したトラウマに関連する考えや状況に直面した時、く つろぎと制御を得るために有効な治療法。 患者は、例えば、"連続的筋肉弛緩"で、異なる筋肉群を緩めるこ とにより、不安を緩和することを学ぶ。瞑想は、くつろいだ感覚 を生み出すために、静かな環境において、言葉、あるいは、対象 物に注目出来るようになる。 上記のようなことで「リラックス」を学び、これによって、心理 療法士などと一緒に「不安を引き起こす状況、記憶のリスト」を 作成。 不安の感情に直面すると共に、リラックスの方法を学ぶ。そして、 徐々に、多くの不安で非常な苦痛である考えや状況に、身をさら す。しかし、この度重なる曝露によって、結果的に、恐れを縮小 し、苦痛から解放される可能性が、出てくる。 ─────────────────────────────────── ・ストレス管理訓練…リラクゼーションにより「ストレス」を管理する。これ は、心理療法士の支援により行われる。 患者は"否定的な思考に対する囚われ"や"衝撃的で忘れら れない出来事によって、圧倒される感覚"を、減少させて 行くことを学ぶ治療法。 ─────────────────────────────────── ・認識行動療法…これも心理療法士の支援により、心理的ストレスを刺激する 歪曲された思考、および、確信を識別する。トラウマになっ た出来事に対して、違った見方と対処が出来ることを学ぶ。 また、その出来事、および、それが、自分の生活で持ってい る影響力に関して、"別の確信"を学ぶというような治療法。 ─────────────────────────────────── ●薬物療法(日本で使用されている薬剤) ─────────────────────────────────── [第一選択薬] SSRI(選択的セロトニン再吸収阻害薬) ─────────────────────────────────── 〜薬品名〜 ・塩酸パロキセチン(パキシル) ・マレイン酸フルボキサミン(デプロメール、ルボックス) 〜特徴〜 ・"PTSD"症状、全般に、効果が高い。早ければ、2〜4週間で、効果が現 れる。12週間(約3ヶ月)程度、使用するケースが多い。 ・"PTSD"の合併症にも、効果がある。 ・比較的副作用は少ないが、不眠、興奮、消化器症状、性行動低下などが起こ る可能性アリ。 ・セロトニン受容体拮抗薬・塩酸トラゾドン(レスリン、デジレル)との併用で、 「不眠」を抑える目的で、使うことが出来る。 ─────────────────────────────────── [第二選択薬] TCA(三環系抗うつ剤) ─────────────────────────────────── 〜薬品名〜 ・塩酸イミプラミン(トフラニール、クリテミン) ・塩酸アミトリプチリン(トリプタノール) 〜特徴〜 ・侵入症状や回避症状に、効果がある。 ・SSRIほどではないが、症状全般に効果を示す。 ・"攻撃性を持つトラウマ"にも、効果があるという報告アリ。 ─────────────────────────────────── [その他の薬1] 交換神経抑制薬 ─────────────────────────────────── 〜薬品名〜 ・塩酸クロニジン(カタプレス) ・塩酸グアンファシン(エスタリック) ・塩酸プロプラノロール(インデラル) 〜特徴〜 ・過剰覚醒症状、再体験症状、解離症状に、効果アリ。 ・塩酸クロニジンと塩酸グアンファシンは"降圧剤"なので、血圧や脈拍モニタ ーのチェック、および、低血圧の人や降圧剤治療中の患者には、細心の注意 を払うこと。 ・また、塩酸プロプラノロールは"抗不整脈剤"なので、副作用として、抑うつ 気分や精神運動抑制などの症状を呈することがある。 ─────────────────────────────────── [その他の薬2] ベンゾジアゼピン系薬 ─────────────────────────────────── 〜薬品名〜 ・アルプラゾラム(コンスタン、ソラナックス) ・クロナゼパム(ランドセン、リボトリール) 〜特徴〜 ・精神安定剤 ・単独では、効果なし。 ・過剰覚醒症状に効くが、侵入症状と回避症状には、効果なし。 ・"PTSD"の症状だけじゃなく、それに伴う不眠や全般的な不安の改善に、 効果アリ。 ・長期間、連用すると「依存体質」になってしまうので、注意すること。 ─────────────────────────────────── [その他の薬3] 抗けいれん薬 ─────────────────────────────────── 〜薬品名〜 ・カルバマゼピン(テグレトール) ・バルプロ酸ナトリウム(デパケン、バレリン、ハイセレニン) 〜特徴〜 ・過剰覚醒症状に効く。 ・双極性感情障害(躁うつ病)にも、効果アリ。 ─────────────────────────────────── [その他の薬4] 抗精神病薬 ─────────────────────────────────── 〜薬品名〜 ・チオリダジン(メレリル) ・リスペリドン(リスパダール) 〜特徴〜 ・"PTSD"そのものに、効果がある訳ではない。 ・過剰覚醒、過剰警戒、妄想症状、動揺がある場合、効果アリ。 ・ベンゾジアゼピン系薬同様、連用による「依存体質」に気を付けること。 ─────────────────────────────────── 「これらの治療法、特に、"薬物療法"に関しては、主治医からしっかりとイン フォームド・コンセントを施してもらった上で、治療を行うようにして下さ い。"PTSD"は、絶対に治らない病気ではないという認識を強く持つこと」 【その他の"治療方法"】 未だ、不明な部分が多い"PTSD"。先進国・アメリカでは、日々、様々な 治療法が、各地で行われている。日本でも、取り入れている療法もあるが、全 く聞いたことがないモノもある。ここでは、さら〜っと取り上げてみる。 ─────────────────────────────────── 01.催眠療法 ─────────────────────────────────── 患者を、完全に「催眠状態」にして、トラウマを思い出させていく方法。 行動療法など他の療法と、併用することが多い。 ─────────────────────────────────── 02.自己暗示療法 ─────────────────────────────────── 自分自身で、「リラックスの方法」を学ぶ。イメージトレーニング、リ ラックス法を体得、自分の気持ちをコントロール出来るようにする。 ─────────────────────────────────── 03.食事療法 ─────────────────────────────────── 脳や自律神経に、刺激を与える食物を、一切摂らない。 ─────────────────────────────────── 04.運動療法 ─────────────────────────────────── 定期的に、エクササイズ、ヨガ、気孔、水泳、筋トレなどを行う療法。 ─────────────────────────────────── 05.キャンドルセラピー ─────────────────────────────────── ろうそくの灯を見つめることにより、精神安定させようとする療法。 ─────────────────────────────────── 06.セルフヒーリング ─────────────────────────────────── ヨガや気孔などの原理を取り入れ、感情や神経のコントロール方法を学ぶ。 ─────────────────────────────────── 07.アロマセラピー ─────────────────────────────────── 最近は、日本でも盛んになってきた。鎮静効果や抗うつ効果のある香り を、生活に取り入れることで、精神を安定させる民間療法。 ─────────────────────────────────── 08.アニマルセラピー ─────────────────────────────────── 動物(コンパニオン・アニマル)や生き物と触れ合うことで、心が癒され、 現実感や感情を次第に取り戻して行く療法。 ─────────────────────────────────── 09.プレイセラピー ─────────────────────────────────── 演劇の中で、自分の"PTSD"の原因となった犯人役などにも、挑戦す ることにより、自分が被ったトラウマを客観的に分析出来るようになる。 ─────────────────────────────────── 10.粘土投げセラピー ─────────────────────────────────── 「怒り」を粘土に込め、それを投げるという実際的な行動により、感情 を鎮めて行く療法。 ─────────────────────────────────── 11.コラージュ[貼り合わせ]セラピー(アートセラピーの一種) ─────────────────────────────────── 雑誌や写真の切り抜きなどを利用し、「自分のトラウマイメージ」を 貼り合わせて行く。 ─────────────────────────────────── 12.トークセラピー(心理的デブリーフィング) ─────────────────────────────────── もっとも一般的な療法。カウンセラーが、患者の「トラウマとなった出 来事や感じたこと」を聞き出して行く。精神的療法の分野では、欠かせ ない方法である。 ─────────────────────────────────── 13.グループセラピー(心理的デブリーフィング) ─────────────────────────────────── 場所と時間を決めて、同じトラウマを持つ人々が集まり、カウンセラー の指導の元、各自の問題やトラウマを話し合う療法。アメリカの映画な どを観ていると、こういう場面が良く出てくる。 ─────────────────────────────────── 14.家族療法 ─────────────────────────────────── "PTSD"の症状軽減というより、患者の周辺にある"家族問題の緩和" を目的とした補助的治療の一つ。「家族関係のトラブルを直接扱う療法」 と「"PTSD"患者を家族がサポートするのを支援する療法」がある。 ─────────────────────────────────── 15.入院療法 ─────────────────────────────────── 外来治療が、困難な慢性で、重症な"PTSD"患者に対する長期治療の 一部として、あるいは、自傷他害の危険を防止し、安定化を図るための 短期間の支持的環境としてなど、一定の目標を持ち、"集中的な治療"を 可能にする環境を得るために取る療法。 ─────────────────────────────────── TOPIX:麻薬「エクスタシー」が"PTSD"治療のため、臨床試験に… ─────────────────────────────────── 2004年2月24日、米麻薬取締局(DEA)は、「エクスタシー(MDMA)」 の"PTSD"治療を目的とした臨床試験に、ゴーサインを出した。この裏には、 MDMA研究に資金を提供している幻覚剤学際研究学会(NAPS)という小さな団体の 努力があった。 他にも、米国には事情がある。それは、パーティ用のドラッグとして知られ ていた「エクスタシー」が、1985年、非合法とされる前には、既に、実生 活で、問題を抱えた人々の治療に使われていたのだ。非合法化後も、それを承 知で使っていたセラピストも存在した。 ただ一つ懸念されるのは、急性薬理効果に関する副作用で、「脳にセロトニ ン神経毒症状を引き起こす恐れ」があることだ。 ─────────────────────────────────── ここまで読み解いてきて、無責任だが・・・ 「人間の心が完全に読めない限り、"PTSD"の完全解明は困難である」 **出来ればコレで・・・→ http://tinyurl.com/ht2xq
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