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「白いんげん豆ダイエット法」を読み解きたい 5月6日にTBS系列で放映された「ぴーかんバディ!」。その内容から、 問題が拡大した。「白いんげん豆ダイエット法」そこに潜んでいた常識とは? 【"白いんげん豆"とはどんなモノ?】 事件の顛末とは・・・ ─────────────────────────────────── 2006年5月6日(土)19:00、"問題の番組"が放映された。TBS系 列の健康情報番組「ぴーかんバディ!」。この中で、『白いんげん豆を使っ たダイエット法』が紹介された。 番組で紹介されたのは、"白いんげん豆を3分ほど煎って、粉末化し、ごは んにまぶして食べる"というダイエット法。 "コレ"を試した視聴者から、「激しい下痢」や「激しい嘔吐」などの症状が 出たという苦情が、放送後から、30件寄せられた。 TBSは「番組の中では『豆を生で食べるとお腹を壊す恐れがあります』」 と注意を喚起したと、言い訳をしていたが・・・ 5月30日時点で、同局に、電話やメールで寄せられた被害が、965件、 その内、入院まで至ったケースが、104件と、報告されている。 ─────────────────────────────────── そもそも、原因となった"白いんげん豆"とは? いんげん豆は、中央アメリカ原産で、完熟した乾燥豆を、煮豆、あん、スー プ等に利用する"乾燥子実用"と未成熟のさやを利用する野菜用に分けられる。 それぞれに多くの種類があります。 その中で、"白いんげん豆"とは、大福豆、白花豆、手亡豆とも呼ばれ、煮豆 や甘納豆に用いられる白色の豆の総称。 主成分は、炭水化物とタンパク質で、カルシウム、鉄、カリウムなども豊富 に含んでいる。また、種皮には、食物繊維が多く含まれている。 豊富に含まれるカリウムは、ナトリウムを体外に排出して、「血圧を正常に 保つ」役割を、持っている。 しかし・・・ 今回のダイエット法で注目されたのは、"白いんげん豆"に含まれる「ファセ オラミン」という消化酵素。この中には、"α−アミラーゼ阻害物質"が存在し ている。 この物質が、消化酵素α−アミラーゼと結合して、その働きを阻害、ブドウ 糖に分解されにくくする。分解されなかったでんぷんは、体外に排出されるた め、結果として、"脂肪を体内に溜まりにくい状態"にする。 そのため、"白いんげん豆"には、「ダイエット効果」があるとされている。 その他にも、「糖尿病の予防」や「高血圧症の改善」などに、多く用いられる ようになった。 "白いんげん豆"の"α−アミラーゼ阻害物質"を効率良く摂るには、サプリメ ントが一般的で、各種ダイエット食品にも配合されている。成分名が「ファセ オラミン」と表示されているものも多い。 【"何が"問題だったのか〜厚労省報告より】 それでは、"白いんげん豆"の"何が"問題だったのか?事件後に出された厚労 省の報告を基に、読み解いて、行きたい。 厚労省の報告によると・・・ 都道府県より、5月22日までに報告のあった「健康被害事例」は、 次の通りである。 ─────────────────────────────────── 1.患者数/報告のあった自治体数 ─────────────────────────────────── 158名/38自治体 入院者数 30名 (内、135名が、5月8日までに、上記ダイエット法を試し、発症) ─────────────────────────────────── 2.発症までに要した時間 ─────────────────────────────────── 10分 〜 23時間(大多数が、2〜4時間) ─────────────────────────────────── 3.主な症状 ─────────────────────────────────── 吐き気、嘔吐、下痢 ─────────────────────────────────── 4.試したとされる豆の種類 ─────────────────────────────────── 白花豆 51名 手亡豆 1名 不明 106名 ─────────────────────────────────── 5.豆の調理法 ─────────────────────────────────── ★2〜3分煎る(129名)生のまま(1名)5分ゆでる(1名) 不明(27名) ─────────────────────────────────── 6.食した量 ─────────────────────────────────── 大さじ2杯 と回答した人が多数 ─────────────────────────────────── 実は・・・ 今回のダイエット法で使ったような完熟した乾燥豆は、昔から、加熱調理を 行わず、生のままで食べると、「嘔吐」「下痢」などの消化器症状を起こすこ とが知られていました。 この原因物質の1つに、「レクチン」という糖タンパク質があります。 「レクチン」というのは、糖に結合するタンパク質の総称で、動物や植物に、 広く分布している物質です。"白いんげん豆"の「レクチン」は、赤血球に結合 して、凝集させる性質を有することから、"赤血球凝集素"とも呼ばれます。 "白いんげん豆"の「レクチン」は、75度の加熱では、毒性が残るものの、 沸騰状態+5〜10分の加熱で「毒性はなくなった」という調査もあります。 しかも・・・ 不完全な加熱では、生のままの"白いんげん豆"よりも、「毒性が強くなる」 という報告すら、存在します。実際、海外において、生のままや加熱不足の "白いんげん豆"を食べたために、「レクチン」による中毒を起こした事例が、 多数報告されています。 "中毒症状"の経過・・・ 生のままや加熱不足の"白いんげん豆"を摂取すると、数時間以内(1〜3時 間)に、「ひどい吐き気」「嘔吐を呈した後、下痢」「腹痛」等の症状を現わ します。 しかし、それ以上、重くなることはなく、患者のほとんどは、発症から数時 間後には、回復するとされている。これには、年齢や性別に関係なく、全ての 人に等しく、中毒を起こすと、報告されています。 勘の良い貴方であれば、もう"原因"は・・・ 今回の"原因"は、問題の番組で紹介された「"白いんげん豆を3分ほど煎っ て、粉末化し、ごはんにまぶして食べる"」という点です。 「豆を煎る」というやり方は、「ゆでる」という方法に対して、熱の通り方 が、確実ではありません。よって、3分ほど煎っただけでは、豆の中心部まで、 充分に、火が通らず、「レクチン」がきちんと熱変性しなかったため、多くの 人が、中毒症状を起こしたと、考えられます。 これらを"防ぐ"ためには・・・ 先記の通り、"白いんげん豆"に含まれる「レクチン」は、充分に、加熱すれ ば、活性を失うことが、分かっています。 すなわち、"白いんげん豆"を食べる際には、長年の常識である「充分に、水 に浸して、戻した後、沸騰状態で、柔らかくなるまで、加熱する(出来れば、 10分以上)こと」が、必要です。 「"健康情報番組"と言われているものは、現在、たくさん存在します。 けれど、視聴者の興味を煽るだけ煽って・・・ 今回のように、"常識に欠けたモノ"も、非常に多くあります。 TVでやっているから、偉い先生が権威付けしているから・・・ と、安易に、鵜呑みにせず、自分の物差しも持って下さい。 何と言っても、"自分の健康"なのですから」 **TV情報は疑ってかかれ・・・→ http://tinyurl.com/e5qls
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