盗聴の嵐・選挙事情

選挙で蔓延る"盗聴"の嵐。
相手の情報を仕入れれば、当選なんて…。

　今日から、公示された「第４４回衆院選挙」。小泉総理の絶妙な演出により、
刺客、ホリエモン、美人女性候補など話題に事欠かない。だが、その裏では…。

【至る所に"盗聴器"が…】

　今、日本全国で、１年間に、軽く見積もっても、「３０万個」の盗聴器が、
販売されていると言われています。しかし、実際には、携帯を利用した盗聴、
自作の盗聴器などもアリで、正直、正確な数はつかまえようがありません。

　盗撮機器は、盗聴器以上に、数がハッキリしません。ただ、現在では、携帯
電話のほとんどに撮影機能があるので、これらも数に含めると、膨大な数にな
ってしまいます。

　これら、盗聴や盗撮の目的は、大きく分けて２種類あります。１つ目は、ス
トーカーやのぞき趣味などの「興味目的」。２つ目は、特定の企業や個人から
情報を盗み出すための「諜報目的」。選挙事務所などは、２つ目に入ります。

　企業内での盗聴器発見数は、家庭・ホテルと並んで、非常に多い部類に入り
ます。しかも、大企業のオフィスだけではなく、中小企業や店舗での発見例も、
多いのが、特徴です。

　被害としては、機密漏洩による直接的な損失以外にも、危機管理の甘さを、
企業レベルで問われることになるので、間接的な被害としてのイメージダウン
も、挙げられます。

　実際、選挙事務所などでも、調査会社に頼み、盗聴器や盗撮機器などが発見
されることも、多いのですが、「危機管理が甘い」と指摘されることを、恐れ
て、警察に報告しないケースも、多々見受けられます。

　盗聴や盗撮されながら、気付いている人は、ほんのわずかだと考えられます。
気付くとしたら、有効な情報やプライバシーが、漏れきったため、近所の噂に
なってしまっている場合、盗聴者や盗撮者の態度の変化に触れた時などです。

　また、私は、常々、テレビを見ながら、疑問に思っていることがあります。
よくテレビの改選時期などにある番組で「貴方のところから、ある電波が出て
います」と、対象者を訪ね、告げている場面。

　読者の皆様も、一度は、ご覧になったことがあると思います。
　
　　　　　　　　　「えっ、どこがおかしいの？」
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『電波法』により・・・
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　傍受した無線通信の内容やその存在を他人に漏らした場合には、

　第５９条「秘密の保護」違反が適用されます。

　無線式盗聴器の大部分は高出力のため無免許で設置すると

　第４条「無線局の開設」違反に問われます。
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『電気通信事業法』により・・・
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　電話機や配電盤(端子箱)などの電話回線設備に、盗聴器を仕掛けた場合は、
　この法に抵触します。

　電話回線上に仕掛けた盗聴器から、実際に電波が送出された場合なら、

　第１０４条の「秘密の保護」や有線電気通信法第９条の「通信の秘密の保護」
　を犯すことになります。

　また、盗聴器を仕掛ける際に電話線を切断したら、刑法第２６０条の器物損
　壊罪になります。

　もちろん、盗聴器を仕掛けるために他人の住居(集合住宅の敷地内)に侵入す
　れば「建造物侵入」になります。
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その他にも・・・
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電話回線上に、仕掛けられた盗聴器を取り外すには、

「アナログ三種工事担任者の資格」が必要。

家屋内の配電設備や電線上に、仕掛けられた盗聴器を取り外すには、

「電気工事士の資格」が必要。
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「これらをきちんと守っている業者は、１割にも満たないのではないか…」

【"盗聴"した上…】

　刺客の情報を仕入れるための"盗聴"。もちろん、相手候補の情報を知った上
で、選挙戦を繰り広げることは、有利であることに、間違いはないでしょう。
あるスキャンダル情報を仕入れたことにより、相手を奈落の底に落とせる可能
性も、充分に考えられる。

　巨万の富と人が動くと言われるアメリカ大統領選では、日本の選挙など比べ
ものにならないほど、「諜報活動」がさかんであると聞く。その情報を得るか
どうかで、当選やお金が、左右されるのだから、当たり前だとも言える。

　日本でも、一体どれだけの選挙事務所があり、どれだけの盗聴器が仕掛けら
れているかは、定かではないが、おそらく１００～２００は、仕掛けられてい
るのではないだろうか。

　しかし、選挙時に、盗まれるのは「情報」だけではない。"ドロボー"という
人種が、主がいないと分かっている自宅の金品や財産を狙っている。だから、
特に、選挙期間中は、ドロボーにとって、都合が良いらしい。

　特に、地方の選挙期間中の立候補者の家で、選挙事務所が自宅と別になって
いるところが良く、また、夜間より昼間の方が、やりやすいそうです。今だっ
たら、"盗聴器"も併用し、情報を得ているドロボーがいる可能性もある。

　地方の立候補者は、地元の有力者(金持ち)が多く、選挙には、何かとお金が
掛かるため、現金が、結構、自宅に置いてあるケースが多い。しかも、人の出
入りも多く、親類縁者などが、手伝いに来ていたり、見知らぬ人間が出入りし
たり、他県ナンバーの車が止まっていたりしても、近所の人は、怪しまないそ
うです。

　選挙期間中、ほとんど立候補者とその妻は、選挙演説で回っていたり、選挙
事務所に行っていたりします。この時、自宅に留守番をしている人がいても、
立候補者の子供、親戚、近所の方々ですから、ドロボーはこれを狙っています。

　しかも、車に２～３人の乗り込んでやってきて、「事務所で酒を取ってくる
ように頼まれた」とか「忘れ物を取ってくるように頼まれた」などともっとも
らしいことを言い、侵入し、一仕事を終えて、つら～っとした顔で、帰る。

　だが、盗聴器が発見された時と一緒で、立候補者は、選挙期間中に、ドロボ
ーに入られたことを、選挙地域で知れ渡るとイメージダウンになってしまうの
で、警察に通報しない場合が、多いようです。

　以前に、ある候補者の私設秘書をしていた友人に、この様な件について、聞
いたところ、「確かに、選挙は、候補者はもちろん、周りの人間も、異常な興
奮状態にさせる。そのため、盗聴やドロボーなどといった選挙にとって、枝葉
末節のことには、気が回らない」と言っていた。

　それほど、選挙は、人々を興奮のるつぼにさせるのである。ビジネスでは、
比較的冷静だったあのホリエモンの態度を見ても、それは充分に理解出来る。
だが、盗聴や泥棒に対しては、チョッと冷静に判断して下さい。

　　　　「ドロボーは、この立候補者に、１票を入れるのか？」

【"盗聴"その注意すべき点と対策】

　　　　　次に、今後、気を付けなければならない点を列挙する。
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●電話機の通話音量が、何もしていないのに"下がっている"
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　これは、電話回線中に仕掛けられた盗聴器が、一般的には、電話線から電源
　を取っているために、結果として、受話音量が、下がってしまう。
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●テレビやラジオに、雑音や画像の乱れ
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無線式の盗聴器が仕掛けられている場合、電波を出しているので、家電に影響。
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●コードレス電話は、なるべく使用しない。親機と子機に分かれている場合は、
　親機から、電話する。
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●無言電話やいたずら電話は、出来るだけ、相手に、先に切らせる。
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　相手が、なかなか切らない場合は、こちらで一度切って、再度、受話器を上
　げてみる(盗聴器が仕掛けてあれば、通話状態のままで、室内の音を盗聴さ
　れているから)。
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●部屋の中に、見覚えのないモノがないかをチェックする。
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　盗聴器の仕掛けられやすい場所として、「三つ叉コンセント」「テーブルタ
　ップ」「電卓」「置き時計」などが、考えられる(他にも見覚えのないモノ
　には注意)。
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●ルームモニター機能や外から留守番電話の内容が聞ける電話の場合、
「暗証番号」を頻繁に変えること(暗証番号解析ソフトなどもあるため)。
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●携帯電話(アナログ)では、大事な話をしない。しかし、デジタル携帯も、完
　璧に安全ではないことを、認識しておくこと。
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●保安器の中にあるヒューズを、チェックする。
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　もし、「ＮＴＴ」という刻印がなければ、盗聴器である可能性が、高い。

　この場合は、有資格の業者でも、勝手に取り外せないので、「ＮＴＴ故障係」
　に依頼して、抵抗の検査や点検(無料)をしてもらう。
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●似非・探偵や盗聴器発見業者に、注意する。
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　上記のように、電波を勝手にキャッチし、それを利用して、やって来る飛び
　込みの盗聴器発見業者や探偵は、法律違反を犯していますし、似非業者です
　から、直ぐに断って下さい。

　なかなか帰らないようなら、「取り外せる資格の有無」を確かめたり、警察
　立ち会いの下で、やってもらいたいと、申し入れて下さい。

　この様な似非業者を下手に、家に招きますと、盗聴器を仮に発見したとして
　も、持参した「新しい盗聴器」を仕掛けられる可能性があります。自分で仕
　掛けたのだから、どこにあるのかも分かりますし、どこの家に仕掛けたかも
　判明しています。

　つまり、１器で、２度も３度も、おいしい仕事が、出来るということです。
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　「くれぐれも、"自分は大丈夫"という変な自信は、持たないで下さい」
　
　
　　　　＊＊都会の闇・・・→　http://tinyurl.com/dxgrz